「外資による対日投資は、資本だけでなく、人材、知識、海外市場へのアクセス等を受け入れるチャンスでもあります。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、郵政省(現・総務省)、OECD出向、モルガンスタンレー、メリルリンチ等を経て、GEヘルスケアやペルミラ・アドバイザーズ日本法人などで、対日投資に携わってきた加藤有治さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
加藤有治『日本買い 外資系M&Aの真実』(日本経済新聞出版社)
この本は、以下の方々を対象にして書かれました。
◆ 経営者(対日M&Aを活用、外国企業からの買収を回避)
◆ 銀行員、プロッフェッショナル(対日M&Aを実行する外国企業へ提案)
◆ 外国企業の傘下に入った日本企業
◆ 外国企業(ファンド含む)の思考回路を理解したい会社員・学生
◆ 外国企業に就職して活躍したい人
◆ 対日M&Aの全体像を知りたい人
本書の冒頭で著者は、2015年の訪日観光客が2,000万人に迫り、45年ぶりに日本人出国数を上回ったことを紹介しています。
一方で、「対日直接投資残高」は、約18兆円で対GDP比3.8%に過ぎず、この比率は驚くことに、世界199ヶ国中の196位ということです。
海外からの「対日直接投資残高」は、日本の「対外直接投資残高」の僅か6分の1未満であり、訪日観光客数が伸びたのとは対照的です。
本書では、まだまだ伸びる余地がある日本への直接投資、とりわけ日本企業を対象にしたM&Aについて、理論面の原則やプレーヤー・実態などの実践面を解説しています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.日本買いM&Aの現状-鎖国から開国へ
2.日本買いM&Aの大原則-案件のスカウトから育成・市場デビューまで
3.日本買いM&Aの関係者-チーム構成が勝敗を決する
4.日本買いM&Aの実際-外資の経営力取り込み実例
5.日本買いM&Aの功罪-「ハゲタカ外資」という誤解
6.まとめ-日本買いM&Aで外資経営資源の徹底的利用を
今、日本企業に対するM&Aが注目されている理由は、外国企業から見た日本企業の魅力として、以下の点が明らかになってきているからです。
◆ 先進的で洗練された商品・サービス
◆ 非効率的な資産・資金運営
◆ 豊富な買収融資(日本の銀行)
◆ 優秀で忠誠心の高いスペシャリスト、スタッフ
◆ 企業の置かれた環境に必ずしも適合していない経営陣
◆ M&A市場に出ない企業買収機会
また本書では、日本で活動するPEファンドの概要と、その投資先を紹介していて、さらに外資系ファンドの投資の考え方として、以下の3点を解説しています。
1.案件の選び方(入口)
2.案件の育て方(価値創造)
3.エグジット・リターンの出し方(出口)
本書ではとくに、「企業価値の概念図」や、「企業価値創造の因数分解」が参考になります。やや専門的な内容も含まれますが、興味ある方はぜひ、本書をお読みください。
基本的には、市場でよく使われる「株式時価総額」とは違った、「償却・税引前営業利益」(=EBITDA)という、企業の「現金創出能力」とその成長性に注目する点がポイントです。
その他、本書の後半では、事業会社系ファンドの投資の考え方や、実際の買収案件について、事例研究が記されていて参考になります。
本書の最後には、「外国企業で活躍したいあなたへ」という巻末コラムが掲載されていて、「求められる人材」など、興味深い論点を知ることができます。
あなたも本書を読んで、日本買いM&Aの真実や全体像に迫ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を