書評ブログ

『沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>』から老後を考える!

「“いのち” と “老後” がマネーゲームの餌食になる」と、日本に忍び寄る魔の手に警鐘を鳴らす書があります。

 

 

本日紹介するのは、ジャーナリストでアメリカの格差問題に関する取材、著書で定評のある堤未果さんが書いた最新刊のこちらの新書です。

 

 

堤未果『沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>』(集英社新書)

 

 

 

この本は、オバマケアの成立によってアメリカの大手製薬会社および医療保険会社の支配構造が確立して、医療費の高騰や医療費破産に苦しむアメリカ社会の実態をレポートした前著『沈みゆく大国アメリカ』(集英社新書)の第二弾です。

 

 

第二弾では、アメリカのマネーゲームと100兆円規模の日本の医療・介護市場へのアメリカ資本進出の目論見、安倍政権の危うさなどの関係を、綿密な現場取材をもとにレポートしています。

 

 

日本医師会の幹部が絶賛する本書の中味は、日本の「国民皆保険制度」の素晴らしさと、絶対に守り抜くためにアメリカ型の「医療への市場原理導入を断固阻止すべし!」という強いメッセージです。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.「臨終」の格差

 

2.オバマもびっくり!こんなにアメリカ化していた日本医療

 

3.(株)アメリカに学ぶ、大衆のだまし方

 

4.マネーゲームから逃げ出すアメリカ人

 

5.逃げ切れ!日本

 

 

本書の中核を成すのは、前著で詳しく述べられたウォール街・多国籍企業・アメリカ政府の癒着構造と、それを海外市場へ展開しようとするアメリカ資本の意図です。

 

 

とくに本書では、オバマケアがアメリカ国民を騙したのと同じ手法で、日本政府も様々なアメリカ寄りの政策を実行しようとしている意図を痛烈に批判しています。

 

 

「TPPと国家戦略特区をセットにして日本市場に風穴を開けようとしている」という本書の主張は新しい視点でしょう。まったく報道されていない見方であり、それを「諮問会議」という密室で決めようとしている小泉政権の時とまったく同じ政治手法も国民が気付きにくい理由だと指摘しています。

 

 

確かに小泉政権では現在のアメリカ社会に続くように、日本でも貧富の格差が拡大しました。「非正規雇用」の増大はその象徴ですし、安倍政権でも基本的には格差拡大に向かっていると指摘されています。

 

 

本書の後半では、日本の「国民皆保険制度」を守るための取り組みとして、長野県の佐久総合病院の取り組みや、千葉県の亀田総合病院といった成功例を紹介しています。

 

 

いずれも、「予防医療」に注力している点と、地域ぐるみで健康を守るという「共済の精神」が貫かれている点が共通しています。医療に市場原理を導入するのではなく、このへんに日本の「超高齢社会」における医療問題の解決策・処方箋があるように思います。

 

 

本書巻末に、日本の医療問題を考える上で、すぐれた参考文献が紹介されていて参考になります。

 

 

 

最後に著者の堤さんの鋭いアメリカ社会の分析が話題になった『貧困大国アメリカ』シリーズと書評を掲載したブログ記事を載せておきます。

 

 

 

 

 

http://bit.ly/1OiHKcI

 

http://bit.ly/1OiHTg8

 

http://bit.ly/1KQmQme

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!

 

 

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