「どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間としての時間」というのは、人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育てる時間となる、と説いている本があります。
今月初めから、独立してフリーランスになった私自身が改めて、「組織に属さない時間」の意味を考えるつもりで手に取った、こちらの書を今日は紹介します。
城山三郎『無所属の時間』(新潮文庫)
この本は、経済小説というジャンルを切り拓いた城山三郎さんが、晩年に「定年後のあり方」というテーマに向き合う中で出てきた問題意識から書かれた書です。
ただ、著者自身が本書の「あとがき」で述べているように、「組織に属しているか否かを超えた問題」をテーマとしているため、定年退職者のみに向けて書かれたものではありません。
一般的に近年は、余暇時間は増大していて、そうした時間をどう過ごすかで、その人の人生も変わりかねない、ということです。
本書は以下のようなテーマを採り上げています。
◆ お叱りの手紙
◆ 子猫とナポレオン
◆ 東京での1日
◆ 一日四分割法
◆ 途方もない夢
◆ 熱い拍手
◆ どん尻が一番
◆ 渡世の掟
◆ 旅さまざま
◆ この日、この空、この私
◆ 四十代最後の年に
◆ 五十代半ばにて
◆ 六十代をふり返る
◆ 孫の来る家
◆ 定住志向
また、あとがきでは、「一日一快のすすめ」と題して、執筆時の心境を述べています。
城山さんは、会社組織の中での中高年管理職の生き様やトップ経営者の生き方をリアルに描いた小説で新境地を切り拓きましたが、深い洞察がその背景にあります。
この本は、そんな城山さんの思慮深さと、率直な思いがともに読み取れる貴重な一冊と言えるでしょう。
あなたも、新しい人生のステージに入るタイミングで、ぜひ本書を手に取り、これからの生き方を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を