「人生100年&80歳現役時代」を生き抜いていくためには、会社から離れて自分なりのストーリーを描いてキャリアをデザインしていくことが重要です、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1957年生まれ、東京大学教養学部卒業後、日産自動車に入社、現在は株式会社ライフシフトCEO、多摩大学大学院教授・学長特別補佐、同大学 社会的投資研究所所長の徳岡晃一郎さんと、1961年生まれ、一橋大学社会学部卒業後、人事業務請負のリスタートサポート木村勝事務所代表、中高年専門ライフデザインアドバイザー、電気通信大学特任講師の木村勝さんが書いた、こちらの書籍です。
徳岡晃一郎・木村勝『ミドルシニアのための日本版ライフシフト戦略』(WAVE出版)
この本は、ミドルシニアのためのライフシフト指南書であり、あなた自身の80歳現役までのライフシフト計画の実行ガイドです。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.はじめに 果たしてあなたは2027年の職場で生き残れるか?
2.このままだとミドルシニアは生き残れない-5年後の未来予想図
3.ミドルシニアに武器を提供する-今こそ「日本版 ライフシフト」が必要だ
4.<5つのM➀>マインドセット-行動を変容する
5.<5つのM②>ミッション創造-自分の軸を定める
6.<5つのM③>学び(リカレント)-キャリアを高く売る
7.<5つのM④>見える化-経験・知識・スキルを商品化する
8.<5つのM⑤>マルチ化-変化への順応力を高める
9.ミドルシニアの皆さまと起業人事部へのメッセージ
10.おわりに
この本の冒頭で著者は、5年後の2027年職場の未来図からミドルシニアのライフシフトを開始したい、と述べて、職場・組織・雇用・人事評価・人財育成の観点から変化を展望しています。
本書の前半では、「5年後の未来予想図」およびミドルシニアの武器である「日本版 ライフシフト」について以下のポイントを説明しています。
◆ 時代認識の変化(グローバル化とリスク・セキュリティ感度)
◆ 価値観の変化(関係性重視、青銀共創、利他、パーパスと共通善)
◆ 経営の変化(DX、イノベーション)
◆ 人事の変化(ジョブ型、ビジョン型、MBB、転職・中途採用、70歳定年)
◆ 企業文化の変化(終身知創、共創主義)
◆ 40代から人生後半のキャリアを
◆ 人生三毛作
◆ キャリア自律
◆ ベテランロールを見つける(レジェンド・コネクター・イノベーター)
◆「80歳現役」を目指すキャリア(ライフシフト、変身資産でセルフチェック)
ここで言う「人生三毛作」というキャリアの考え方は、拙著『定年後不安』(角川新書)および『定年ひとり起業』(自由国民社)で私が提唱している働く期間を3つに分ける「トリプルキャリア」という考え方に近いものです。
違いは、年代の区切りで、この本では「20~30代」「40~50代」「60代以降」の3つに分けているのに対して、私は「会社員としての働き方(50~60代半ば)」「雇われない働き方(66~74歳)」「理想の働き方(75歳以降)の3期間に分けているところです。
この本の本編では、変身資産を磨き、未來を見つけるための「5つのM」について、以下の通り紹介・解説しています。
1.マインドセット(行動を変容する)
2.ミッション創造(自分の軸を定める)
3.学び<=リカレント>(キャリアを高く売る)
4.見える化(経験・知識・スキルを商品化する)
5.マルチ化(変化への順応力を高める)
この「5つのM」が、シニアミドルのための日本版「ライフシフト戦略」の中核をなすコンセプトです。詳細についてはぜひ、本書を手に取って確認してください。
この本の締めくくりとして著者は、「ミドリシニアや起業人事部へのメッセージ」を次の通り提示しています。
◆ 5M実行の推進力は、いかに今後の予想される変化を自分事として捉えられるか
◆ NSNI(残るならしっかり、残らないなら急げ)の腹決めを
◆「自分株式会社」のミッションを決める
◆ ミッション達成に向けた新たな学びを
◆「自分株式会社」のパンフレットを作成
◆ 1年以内に3万円ビジネスを副業で1つ立ち上げてみる
◆ 65歳以上でも意欲と能力があれば年齢は関係ない
◆ 65歳以上の人材の能力・知識を活用したい
◆ 変化への対応力を高めるために、ミドルシニアへの教育投資を
◆ 積極的にさまざまな知識創造のチャンスを与えてくれる組織に
◆ 若手とシニアの世代間の助け合いを重視
この本は、中高年ビジネスマンが未来を生き抜くために知識と経験を武器にする方法を、人事のスペシャリストが徹底解説している本で、ぜひお薦めの一冊です。
あなたも本書を読んで、ライフシフト大学が教える「5つのM」(マインドセット・ミッション・学び・見える化・マルチ化)を身につけて、人生戦略を練ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2617日目】