「コロナパンデミック騒動が勃発した2020年以降の世界は、それまでの常識では考えられないような変貌を続けています。食料やエネルギー資源の供給が危機的状況に陥り、それに異常気象や天変地異も加わって、ゲームや比喩ではない、生きるか死ぬかのリアルなサバイバル時代に入りました。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1955年福島県生まれ、1991年に『マリアの父親』(集英社)で第四回「小説すばる新人賞」受賞、執筆ジャンルは小説の他、狛犬アートの研究やデジタル文化論など多岐に渡る作曲家・作家のたくきよしみつさんが書いた、こちらの書籍です。
たくきよしみつ『マイルド・サバイバー』(MdN新書)
この本は、悪化していく社会環境の中で、どのように正気を保ち、幸福感を維持できるかというささやかな方法論ーゆるく、賢く生き抜く「普通の人が普通に生きる」ためのサバイバル術です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.二度の被災で学んだこと
2.間違った「常識」こそが日本を滅ぼすモンスター
3.まずは今の自分の身を守れ
4.都会を脱出せよ
5.移住するなら北関東
6.田舎物件の選び方
7.田舎暮らしに必要な技術と道具
8.柔軟で持続性のある分散型地域経済を作るには
この本の冒頭で著者は、「発想の転換と少しの工夫、そしてそれを柔軟かつ合理的に実行していく決断力を持った『マイルド・サバイバー』になりましょう。」と述べています。
本書の前半では、「二度の被災で学んだこと」「間違った「常識こそが日本を滅ぼすモンスター」および「まずは今の自分の身を守れ」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 生死を分ける「正常化バイアス」の怖さ
◆「同町圧力」が招いた悲劇
◆ 日本に真っ先に襲ってくるのは食糧危機
◆ 労働単価が世界最低レベル、庶民の購買力が低い日本は「先進国」ではない
◆ 食糧危機、エネルギー危機を乗り越える技術力も戦略もない日本
◆ 大災害の危険度が最も高いのは高層マンションとゼロメートル地帯
◆ 都会人は電動アシスト自転車を買え
◆「衣・食・住」ではなく「食・住・通」
◆ 若い人たちは「生涯現役」の覚悟が必要
◆ 独立する最大のメリットは「無理をしなくていい」「大きく儲けなくていい」
この本の中盤では、「都会を脱出せよ」および「移住するなら北関東」について、著者の経験・見解を解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 東南海地震、富士山噴火、首都直下型地震は必ず起きる
◆ 都市ガス、上下水道は災害に弱い
◆ 二地域居住という「二股保険」のすすめ
◆ 最終的な幸福は「都会」にはない
◆ リモートワークから地方移住、独立起業のトレンドへ
◆ 移住するなら北関東、ほどほどの田舎が暮らしやすい
◆ 年金も預金もない老後では、住居費を使わないため自分の持ち家を確保しておく
◆ 生き延びるためには、不動産価格の低い場所に移住する
◆ 地方移住では、広い土地がついた中古の一軒家を持つ
◆ 地方には、500万~800万円程度の広く立派な土地付き一戸建てがある
◆ 二地域居住の場合、移動距離の上限は200km
◆ 北関東の「不人気」地域こそ狙い目、日光市は不思議と安い
◆ 土砂災害、水害のある土地は絶対ダメ
◆ 迷惑施設建設地(風力発電、太陽光発電、廃棄物処理場など)にならないか
◆ 住民を分断する業者の働きかけ
本書の後半では、「田舎物件の選び方」「田舎暮らしに必要な技術と道具」および「柔軟で持続性のある分散型地域経済を作るには」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 田舎の中古住宅物件は3種類(①古くからある空き家、②バブル期のリゾート分譲、③田舎に造成された新興住宅地)
◆ 農村に隣接した新興住宅地は狙い目
◆ 建物の基礎は面で支える「ベタ基礎」がいい
◆ 高速光回線とWifi環境は必須
◆ 田舎暮らしの「足」は電動アシスト自転車がオススメ
◆ 移住者と地元民の対立に注意
◆ ほどほど農業(マイルド・アグリ)のすすめ
◆ 一人で始められる商売を考える
◆「仕事ができる大人」が集まる地域社会に
◆ 分散型地域社会を構築するデジタルサバイバル
この本の締めくくりとして著者は、「すべての人間にとって、究極の目的は『幸せに生きること』でしょう。」「幸福の形には、多様性があってあたりまえ」と述べています。
あなたも本書を読んで、マイルド・サバイバーとして生き残ることを考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2875日目】