書評ブログ

『ミッドライフ・クライシス』

「ミッドライフ・クライシスの恐ろしいところは、人生に躓いた人だけでなく、一見順風満帆の人生を歩んでいるようにみえる人でも陥る可能性が高いことだ。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1948年東京生まれ、東京医科歯科大学医学部卒、長野県諏訪中央病院に赴任、以来40年にわたって地域医療に携わり、現在は諏訪中央病院名誉院長を務める医師作家鎌田實さんが書いた、こちらの書籍です。

 

鎌田實『ミッドライフ・クライシス』(青春新書)

 

この本は、「ミッドライフ・クライシスはなぜ起きるのか、直面した時どうしたらいいのか、そして苦しさを少しでも減らすためにできること」を、ミッドライフ・クライシスの経験者の立場から、医師としての立場から記した書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.ミッドライフ・クライシスに陥る人の共通点とは?

2.自分の居場所を再定義する

3.自分の限界が見えた時から、本当の仕事が始まる

4.家族、友人、パートナー・・・人間関係の「欠落」とどう向き合うか

5.身体の「下り坂」と上手につきあうために

6.それでも希望はやってくる

7.しんどい気分が消える言葉、明日の自分に向き合う言葉

 

 

この本の冒頭で著者は、「症状の軽い思いは人それぞれだが、人生の中年期にはほとんどの人がミッドライフ・クライシスに遭遇する」と述べています。

 

 

本書の前半では、「ミッドライフ・クライシスに陥る人の共通点とは?」および「自分の居場所を再定義する」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ エリクソンの「ライフサイクル・モデル」の成人後期(40~65歳)でも危機を指摘

◆ ミッドライフ・クライシスの8つの複合的な原因

◆ ①自分の人生の山頂が見えてくる、②病気との闘いが始まる、③酒・賭け事・不倫など

◆ ④遠くに死が見え始める、⑤自分探しが終わらない、⑥子どもが巣立つ「空の巣症候群」

◆ ⑦オーバーワークを続けている、⑧初めて「つまずき」と向き合う

 

◆ 問題解決能力と我慢が必要

◆ 自分が得意な「誰かの役に立つビジネス」を見つける

◆ ミッドライフ・クライシスは、人生を軌道修正する最大で最後のチャンス

◆「限界ミッドライフ」になったら、新しい人生の準備をする

 

 

この本の中盤では、「身体の下り坂と上手につきあうために」「自分の限界が見えた時から、本当の仕事が始まる」および家族、友人、パートナー・・・人間関係の「欠落」とどう向き合うか」について考察しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ ミッドライフ・クライシスは変化に対応するための「成長痛」

◆ 二足の草鞋を履きながら、ゆっくりとシフトチェンジする

◆「新8050問題」に注意、介護離職はしない

◆「反出生主義」哲学を意識する人もいる

◆ 価値が大転換する時代

 

◆ 中年に摂って大切なのは「貯金」よりも「貯筋」

◆「逃げ」のように見えて「新しい挑戦」のこともある

◆ 幸福感を高める4つのポイント:①セロトニンを増やす、②達成感を大事にする、③今の自分を肯定する、④睡眠が大事

◆「幸福は、己自ら作るものであって、それ以外の幸福はない」(トルストイ)

◆ 小さな成功を重ねることで、快感ホルモン「ドーパミン」を活用

 

◆ チャレンジング・ホルモン「テストステロン」が重要

◆「野菜」と「たんぱく質」(たん活)と「筋肉運動」が大切

◆ ながら運動で「貯筋」を

◆ 長寿のために「腸寿」が欠かせない、免疫細胞の6割は腸にある

◆ 亜鉛の多い牡蠣や高野豆腐は大切

 

 

本書の後半では、それでも希望はやってくる」およびしんどい気分が消える言葉、明日の自分に向き合う言葉」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 中年期の「ジェネラビリティ」(世代継承)が停滞を打ち破る鍵(エリクソン)

◆ 40代の移住者が増加

◆ ミッドライフ・クライシスを使って「人生二毛作」にする

◆「がんばらない」という方に力を入れない生き方が大切

 

◆ 希望を持つことと、丁寧な生活をしてみる

◆ 学び直しのチャンスを逃すな

◆ 人間は自由であり、常に自分自身の選択によって行動をすべきもの

◆ どんなに高い山頂も、一歩一歩の積み重ね

 

◆ 無駄な戦いをせず、頑張らないことが大事

◆ 大切なのは、人生の「行動変容」

◆ これからの時代を生き抜くには、理解し分析し表現する力、リテラシー能力が必要

◆ 考える力は「なぜ」と疑問を持つことから始まる

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「10回のうち7回は失敗していい。」と述べています。そして、「失敗を恐れず、毎回、”打席に立って” 中年期を楽しんでもらいたい」と続けています。

 

 

あなたも本書を読んで、中年期の80%の人が襲われる「ミッドライフ・クライシス」について学び、成人後期の危機を乗り越えていきませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3017日目】