文章を書くのが苦手な就活中の大学生および若手社会人向けに、朝日新聞ベテラン校閲記者が教える「一生モノの文章術」の本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学卒業後、朝日新聞に入社し、現在は朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長の前田安正さんが書いた、こちらの書籍です。
前田安正『マジ文章書けないんだけど-朝日新聞ベテラン校閲者が教える一生モノの文章術』(大和書房)
この本は、大学3~4年から社会人になって文章を書くことに戸惑いを感じている方々に焦点を絞った文章本です。
ストーリー仕立てになっていて、謎のおじさんと就活を目の前にしてES(エントリーシート)が書けずに焦っている大学生・浅嶋すずとの掛け合いで文章講座が進んでいきます。
本書は以下の4部構成(ステップ)から成り、全部で23のLESSON(レッスン)が含まれています。
1.初級: 基本中の基本! 主語と述語について考える
2.中級: 文章を書く基本! 文と文章の構造を考える
3.上級: めざせ!伝わる文章 人の思考を意識する
4.プロ級: 秘策!文章マスターへの道 「Why 」を意識する
この本の冒頭で著者は、次の通り、文章を書く際の「基本中の基本」を説明しています。
◆ 文と文章の違いを理解する
◆ 主語と述語をしっかり対応させる
◆ 一つの文は一つの要素で書く
続いて、「は」、「が」、「は」などの助詞の使い方や、否定を伴う副詞、推量・疑問を伴う副詞について解説しています。
また、「こそあど言葉」を使った距離感の表現や、同じ言葉や似た表現を繰り返さない、といった留意点を分かりやすく事例を上げて説明しています。
さらに、つなぎの「が」、「ので」、「だが」を使わないように、一文を短くすること、文章は「論理的に伝える」ことを心がけるように本書では勧めています。
この本の後半では、文章に正解はないものの、以下のような効果的な表現方法が紹介されていて参考になります。
◆ 受動態で客観的に書く
◆ 過去のことを現在形で書いてライブ感を出す
◆ 要素が増えたら文を分ける
◆ 書き出しに前提はいらない
◆ 文章は人間の思考の組み立て、書きたいと思う部分から書き出す
◆ 箇条書きのようにシンプルに書く
◆ 5W1Hで最も大切な「Why」、読む人が「なぜ」「どうして」と思うところを説明する
◆ 「Why」を意識すれば「状況」「行動」「変化」が書ける
◆ 客観的に観察してストーリーを描く
◆ 自分の Value を見つけよう
◆ コンパクトでスリムな文章を目指す
◆ 必要なことを書けば、自然にスリムな文章になる
◆ 志望動機は、自分に引きつけて書く
◆ エピソードはできるだけ具体的に書く
◆ 書き出しと最後がバラバラにならず、ピッタリくっつくように書く
大学生の就職活動にとって、ES(エントリーシート)に書く文章のウエイトはとても大きいものですが、それ以上に実際に社会に出て、例えば会社に入って企画書、稟議書、お客様への礼状や詫び状など、文章を書く機会はほんとうに多いものです。
そうした若い人たちに向けた「一生モノの文章術」を伝えてくれる本書は、貴重な存在でしょう。あなたも、この本を手に取って、考えをしっかり伝えられる文章の技術を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を