「日本は国家戦略として『若返り』を目指すべきである。それはなぜかといえば、それが実現してから、ようやく戦略、外交、そして戦争について語ることができるからだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1942年ルーマニア生まれ、ロンドン大学で経済学の学位をとった後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で博士号を取得、国防省長官府に任用され、国防省の官僚や軍のアドバイザー、ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任した戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問のエドワード・ルトワックが書いた、こちらの書籍です。
エドワード・ルトワック『ルトワックの日本改造論』(飛鳥新社)
この本は、現在進行中の日本を含むアジア情勢の危機について、とりわけ北朝鮮や中国に関する情勢を中心に、戦略家としての視点から分析したものです。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.戦略思考で日本を救う
2.韓国よ、歴史の真実に学べ
3.“ 中国封じ込め ” の時代
4.変化する北朝鮮と、その脅威
5.自衛隊と情報機関への提言
6.経済戦争と国家の本性
この本の冒頭で著者は、日本を救う「大戦略」は、「日本全国で、五歳になるまでの完全な保育・育児の無料化を進めること」であると述べています。
続いて本書では、韓国、中国、北朝鮮に関する著者の分析を提示しています。ポイントは以下の通り。
◆ 朝鮮半島には、「統一・分断」、「核保有・非核化」という2軸で4つの選択肢
◆ 歴史的事実を直視すべきなのは韓国側
◆ 韓国はイタリアと同様、国家としての結束力に欠け、同盟国になり得ない
◆「中国製造2025」のようなハイテク産業をめぐる争い
◆ 中国人が500人働くグーグルは中国に協力
◆ 中国によるAI関連の技術の窃取
◆ 日本もすでにハイテク戦争に「参戦」している
◆ 中国の「一帯一路」構想では、マリタイム・パワー(海洋力)を獲得できない
◆ 戦略の論理が示す「中国崩壊」という未来
◆ 北朝鮮は非核化か体制崩壊か
◆ 北朝鮮の核ミサイルに対しては、日本は自力で守らねばならない
◆ 韓国に欠如している「国防意識」
この本の後半では、日本の自衛隊と情報機関への提言が、次の通り整理されています。
◆ 本格的な指揮演習(=ウォーゲーム)を実施せよ
◆ 本格的な国家情報機関を設置せよ
◆ ルトワック流・情報員トレーニング法
本書の最後で著者は、「経済戦争」(=ジオエコノミクス)について、以下の通りポイントを提示しています。
◆ 関税や貿易障壁も「武器」である
◆ 経済戦争にも明確な「敵国」がある
◆ 経済的相互依存関係は戦争を妨げない
巻末には、この本の訳者である奥山真司さんの解説が掲載されています。そこで挙げられている「ルトワックの視点を理解するためのポイント」は次の3点です。
1.日本にとって最重要の戦略問題として「子供を増やす」ことを提唱
2.「戦士」の文化を強調
3.日本に「国防」に対する本気度を迫っている
この本は、「リスクを恐れずに作戦を実行するメンタリティー」の重要性をルトワックが伝えるために書かれています。
あなたも本書を読んで、韓国、中国、北朝鮮に挟撃される脅威の時代に、ルトワックの「戦略的な考え方」を学び、行動してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!