「薬とはどういうものか」を説明し、近年明らかになってきた「薬の常識」を紹介して、薬を使わない様々な健康法(考え方)について分かりやすく解説している動画配信も行っている医師が書いた本があります。
本日紹介るのは、1986年生まれ、杏林大学医学部医学科卒、大学在学中の2011年に株式会社リーフェを設立、現在は東京むさしのクリニック院長(内科・総合診療医)、株式会社リーフェ代表取締役の橋本将吉さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
橋本将吉『医師が教える薬のトリセツードクターハッシーのわかりやすい健康学』(自由国民社)
この本は、健康情報を発信するYouTubeチャンネル登録者数29万人のYouTuberドクターハッシーこと内科医の橋本将吉さんによる、医学的に正しい「薬に頼らず健康に生きるコツ」について述べている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.薬の大原則
2.最近わかった、薬の「意外な」新常識
3.疾患別の処方箋の解説
4.薬以外で病気や症状に勝つ方法
5.患者さんの心得 ~ 的確な処方をしてもらうために ~
この本の冒頭で著者は、「ズバリ本書を読むことで、次の3つがわかるようになります」と述べています。
◆ そもそも薬はひとを治す「天使」でもあり、また人を傷つけてしまう「悪魔」でもある
◆ 薬は「切り札」なのであり、使う時は可能な限り「最後の手段」の方が良い
◆ 可能な限り薬に頼らずに、健康的な生活を送る方法
本書の前半では、「薬の大原則」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 薬の目的は、➀病気の原因を解決する、②症状を抑える、③病気を予防する、④不足している分を補う、という意味で「天使」である
◆ 薬は「天使」になるために、基礎研究・非臨床試験・臨床試験など多くの時間を要する
◆ 漢方薬は「自然界から集められた」天使
◆ 薬は「悪魔」にもなる(効果は気まぐれ、副作用もある)
◆ 予測不可能な「アレルギー」という悪魔
◆ 薬は「切り札」である
この本の中盤では、「最近わかった薬の意外な新常識」および「病気別の処方薬の解説」が記されています。主なポイントは以下の通り。
◆ 軽い風邪症状で安易に風邪薬に頼らない
◆ 処方された抗生剤は最後まで飲み切る
◆ 湿布薬の使い過ぎは禁物
◆ 便秘を治すポイントは「腸の動き」、野菜(食物繊維)を摂る食事と運動習慣
◆ 頭痛薬は使い過ぎが頭痛につながる
◆ 糖尿病の薬の「自己中断」は危険
◆ 抗うつ薬は「本人の回復を手助けするために作られた」薬
◆ 傷口はまずは水道水でしっかり洗い流す
◆ 内分泌疾患(ホルモンが関係する病気)で2型糖尿病の薬は「減薬」または「中止」できる可能性あり
◆ 2型糖尿病では、「生活習慣の見直し」が最も大切
◆ コレステロールの薬は、減薬・中止できる可能性がある
◆「食事」と「運動」によるコレステロール値の低下が大切
◆ 中性脂肪の薬も、減薬・中止できる可能性あり
◆ 中性脂肪の値のコントロールも「食事」と「運動」が効果的
◆ 呼吸器疾患(風邪)に抗生剤は効果なし
◆ 消化器疾患(胃腸)の薬は使い方に注意
◆ 高血圧の薬(降圧剤)は減薬・中止できる可能性がある
◆ 動脈硬化の進行を抑えるには、「塩分の少ない食事」「定期的な運動」「ストレスや寝不足を避ける」
◆ 血液をサラサラにする抗凝固薬(ワーファリンなど)をむやみに欲しがらない
◆「うつ病」の治療は、➀休憩、②価値観を見つめ直す、③抗うつ剤の内服
とくに、170ページから10ページにわたって記載されている「精神・神経疾患(精神や脳に関係する病気)」の「うつ病の治療」「不眠に大切なこと」についての著者の説明はたいへん勉強になり、ぜひ一読をお薦めします。
本書の後半では、「薬以外で病気や症状に勝つ方法」および「患者の心得」について考察しています。著者の挙げるポイントは次の通り。
◆ 食事を見直す(医食同源)
◆ 必要な栄養素が不足しないようにバランスよく食べる
◆「運動」ではなく、「遊びや趣味」と考えて一生続けられるものを見つける
◆ サプリメントは食品、効果の証明は不要
◆ 患者は「主訴」(一番困っていること)を正確にきちんと伝える
◆ 症状の強さを10段階評価で伝える
◆ 症状のある場所をきちんと伝える
◆ 患者は自分の考えをきちんと伝える
この本の締めくくりとして著者は、「薬のメリットとデメリットは表裏一体」である、と繰り返して述べています。
では、どのように薬と付き合っていくのがベストなのでしょうか。やはり、「薬は最後の手段として使う」ということが重要だ、と著者は言います。
あなたも本書を読んで、薬の原則やメリット・デメリットを理解し、医学的に正しい「薬に頼らず健康に生きる」ヒケツを会得し、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2583日目】