「無意識を使いこなす」や「思考に休符を挟む」など、「考えかた」について考えた本があります。
本日紹介するのは、代表作『思考の整理学』(筑摩書房)が、200万部を超えるベストセラーとなり、やさしい文章で書かれた知的エッセイが年齢を問わず愛されている、お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
外山滋比古『こうやって、考える。』(PHP研究所)
この本は、これまでの外山滋比古さんの著書の中から、「発想力や思考力を磨くヒントになる」ような箴言集を、という意図で、編集者が選び出し引用して再構成したものを、著者の外山さんが校正して作った書です。
著者によれば、「引用された短文が、もとの本文の中にあったときとは違った、新しいニュアンスをともなっている・・・(中略)・・・引用されることで、味わいが濃縮される」ということです。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.発想力を鍛えるヒント
2.思考のプロセス
3.思考力を高める方法
4.知性を磨く生活
5.思考につながる読書
6.発想が豊かになる “ おしゃべり ”
7.未来を創るヒント
この本は主として、「発想力」や「思考力」を磨き、高めて、うまく発揮できるようになるためのヒントや、日々の生活の心構えについて記されています。
いずれも、研究者で、教育者として、人生二毛作を地で行く、2つの専門分野を持って様々な知的創造をしてきた著者の体験や、93歳の現在も「知の創造」を続けていける秘訣を書いたもので、重みと説得力があります。
多くの引用された著者の教えを記した短文の中で、とくに私の心に響き、つねに心構えとして持っているものを以下に挙げておきます。
◆ 化合物を求める
◆ 妙案が浮かぶのは、枕上・鞍上・厠上の三上
◆ ひょいと頭をかすめるアイデアをメモする準備と習慣を
◆ 「知のエディターシップ」、頭の中のカクテルを作るという「編集視点」が大切
◆ 心の加工、編集の過程を経てまろやかになった経験や自然の印象が創造になる
◆ 知識を得たら、時間をおいて変化するのを待つ
◆ 「見つめるナベは煮えない」という外国のことわざに学ぶ、放っておくことが大切
◆ 思考の整理法としては、寝させるほど大切なことはない
◆ 風を入れてからもう一度、考え直す、推敲は三考が必要
◆ 個々の経験、考えたことを、一般化して普遍性の高い「ことわざ」にしておく
◆ 考えごとは朝にする
◆ 心の中を出家状態にして執着しない
◆ 本などは読みっ放しにしないで、感想を書く習慣をつける
◆ 頭脳をよくするもっともよい方法は書くことだ
◆ 在庫の知識を再点検して、不易の知識のみが残るようになれば、その時の知識は力になる
◆ 独創的思考にとって旅行が有効、日常性からの離脱が創造につながる
◆ 一日の生活編集をしてスケジュールを組めば、かなりの仕事をこなすことができる
◆ 朝は金の時間、夕食後は鉛の時間、夜10時以降は石の時間、石頭になる
◆ ものを書くには図書館が適している
◆ みずからの決意によって、人生に「出家的折り返し点」をつくる
◆ 思い切って、生涯を二分し、人生を二毛作化する
◆ 人生というマラソンには余生などというのがあってはならない、最後の最後までこのレース、勝負というものを捨ててはいけない
◆ 読書、大いに結構だが、生きる力に結びつかなくてはいけない
◆ 本はそよ風のごとく読むのがよい
◆ 見出しの読者となる、見出しで記事内容を推測するのはかなりの知的作業
◆ 知性は「話しことば」に現れる
◆ 大声でしゃべると知恵が飛んで行ってしまう、ゆっくり話すと案外、たくさんのことが言える
◆ 貧困は恐ろしい敵だが、長い目で見れば、思いがけぬ人間力を身につけることができる
◆ 新しい歴史観が求められます
◆ 新しい時代に耐えうる人間になるのは、話すこと、とくに聴くことの力をのばすしか手はない
この本で引用されている、外山滋比古さんの著書は以下の通りです。いずれも示唆に富む良書で、興味を持った原典を読まれることをお薦めします。
あなたも本書を読んで、「発想力」や「思考力」を磨いてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を