「育児のしかたが子どもの性格と将来を決定する」という「子育て神話」に真っ向から反論している書があります。
本日紹介するのは、ハーヴァード大学心理学部で修士号を取得し、在野の学者として執筆活動をしているジュディス・リッチ・ハリスさんが書いた、こちらの書です。
ジュディス・リッチ・ハリス『子育ての大誤解-子どもの性格を決定するものは何か』(早川書房)
この本は、橘玲『言ってはいけない』(新潮新書)にて紹介されていた書で、新刊本は手に入らず、Amazon中古本でも難しい希少本になっています。
本書は、世間で常識とされている「子育て」についての神話や原則を、根底から覆す考え方を科学的に明らかにしています。
まず本書の冒頭で著者は、次のような「子育て神話」は、全て間違いだった、と指摘しています。
◆ 愛情をこめて抱きしめると、優しい子どもになる
◆ 寝る前に本を読み聞かせると、子どもは勉強好きになる
◆ 離婚は子どもの学業成績を低下させる
◆ 体罰は子どもを攻撃的な性格にする
「育児のしかたが子どもの性格と将来を決定する」という、「子育て神話」を多くの親が信じ込んでいますが、それは誤りだと著者は言います。
この本では、古今東西の愉快なエピソードを交えつつ、心理学、人類学、霊長類学、遺伝学などの最新研究を駆使して、子どもの性格形成の本質に迫っています。
本書は以下の15部構成から成っています。
1.「育ち」は「環境」ではない
2.子育て神話はどう生まれ、どう育まれたか
3.生まれか、育ちか、それともいずれでもないか
4.別々の世界
5.別の時代、別の場所で
6.人間であるということ
7.「われわれ」と「彼ら」
8.子ども同士のかかわりの中で
9.文化を伝える
10.ジェンダー論
11.子どもたちにとって学校とじゃ
12.大人になるということ
13.機能不全家族と問題を起こす子どもたち
14.親にできること
15.裁かれる子育て神話
この本で著者は、子どもの性格形成において、「遺伝」と「環境」がどのように関わるかを考察しています。結論は、「環境」である「子育て」や親の影響は大きくなく、「遺伝子の選択」ということです。
教育というものの意義や意味を、著しく低下させるような結論だけに、人々は受け入れ難いし、皆うすうす感じていても決して言葉にしない「不都合な真実」ということになります。
本書では豊富な事例と、研究結果や統計データを紹介して、その結論を科学的に説明しています。
あなたも本書を読んで、「子育ての大誤解」について、深く考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を