ユニクロ幹部社員が使うという門外不出のノートが初めて公開され出版されました。本日紹介するのは、ユニクロを世界展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが書いた、こちらの書です。
柳井正『経営者になるためのノート』(PHP研究所)
この本は、実際に今もファーストリテイリングの社内で執行役員や店長までもが使用しているノートです。しかも配布にあたっては一人一人にシリアルナンバーをふって社外秘にしてきたものです。
それを今般、出版して社会に提供することにしたのは、ファーストリテイリングのグローバル企業としての情報公開、すなわち透明性を高めるため、ということです。
さらに著者であり経営者である柳井正さんの、「日本を元気にしたい、世界をもっと良い世界にしたい」という思いだと言います。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.経営者とは
2.経営者に必要な四つの力-①変革する力<イノベーター>
3.経営者に必要な四つの力-②儲ける力<商売人>
4.経営者に必要な四つの力-③チームを作る力<リーダー>
5.経営者に必要な四つの力-④理想を追求する力<使命とともに生きる>
本書の冒頭で著者は、経営者を定義して次のように述べています。
「経営者とは、一言で言えば、成果をあげる人です。」
「成果」とは、「約束したこと」で、業績数値も入ってきますが、それ以外も入ってきます。約束したことを成果としてあげて初めて、顧客・社会・株式市場・従業員から信頼されて、会社は存続し続けることができます。
このような自分たちがやると約束する成果を考えるにあたって、一番大切なことは、社会における自分たちの存在意義、つまり使命を考えることです。
「会社の使命と成果が結びついていること」、それが経営の原則だ、と著者は言います。
経営は「実行」であり、考えているだけ、思っているだけ、では成果はあがらない、ということです。
本書(ノート)において著者は、経営者には上記に挙げた「四つの力」が必要だ、としていますが、今の私にとって、最も響いたのは3番目に挙げられている「チームを作る力」です。
チームを作る力として本書では、以下の7つが大切だ、としています。
1.信頼関係を作る
2.全身全霊、100%全人格をかけてメンバーと向き合う
3.目標を共有し、一人ひとりの責任を明確にする
4.任せて評価する
5.期待し、長所を活かす
6.多様性を積極的に肯定する
7.勝ちたいと誰よりも強く思い、自己変革を続ける
経営はチームで行うもので、リーダーというのは、チームを勝利に導く人です。リーダーは自分だけを勝利に導く人ではなく、目標を共有し、チームのメンバーに達成感や成長実感、自己実現などをしっかり味わわせてあげられる人です。
そんな気持ちでチームの輪の中に入って、チームの先頭に立ってメンバーに向き合っていくことができる人がリーダーだ、と著者は言います。
その際に最も大切なことが、「人間同士の信頼関係」であり、信頼関係の基本は、「あなたが言行一致で首尾一貫した人間であるかどうか」ということです。
約束したことは守る、あなた自身が言っていることの最大の実践者であるかどうか、ということです。言行一致と首尾一貫、人間としてのこうした姿勢は、その人の「人としての誠実さ」ということでしょう。
もうひとつ、「チームを作る力」に関する記述で感銘を受けたのは、人材活用の要諦として、「長所=強みを活かす人事を考える」ということです。
著者の柳井さんは、経営学者ドラッカーの信奉者として知られていますが、ドラッカーの次の言葉を引用して説明しています。
「あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。」
チームがあり、チームメンバーがいる理由をよく考えて下さい、と著者は言います。一人で全部完全な人間でなくても、補い合うことができるからチームのメリットがある、ということです。
このことを心に刻みながら、私もこれから「チーム作り」をしっかりと行っていこうと思います。
このブログでは、2013年12月29日付で、本書と同じPHP研究所から出版された、柳井正さんの著書『現実を見よ』を紹介しています。本書の理解にも役立つので、併せて一読することをお薦めします。
あなたも本書(ノート)を手にして、経営者やリーダーへの道を歩んでみませんか。
速読法・多読法が身につくレポート 『年間300冊読むビジネス力アップ読書法「17の秘訣」』 を無料で差し上げます。ご請求はこちらをクリックしてください!
https://jun-ohsugi.com/muryou-report
では、今日もハッピーな1日を