書評ブログ

『勝間式 ロジカル不老長寿』

長生きリスクと真正面から向き合い、そのリスクをどうやってマネジメントするかを考えて提言している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1968年生まれ、慶應義塾大学商学部卒業、早稲田大学ファイナンスMBAアーサー・アンダーセンマッキンゼー・アンド・カンパニーJPモルガンを経て独立し、現在は経済評論家株式会社監査と分析 取締役中央大学ビジネススクール客員教授勝間和代さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

勝間和代『健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式 ロジカル不老長寿』(宝島社)

 

 

この本は、老化のメカニズムを把握し、長生きリスクをいかにマネジメントして幸福を手に入れることができるかを読者と一緒に考えていく書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.プロローグ 長生きリスクとという事実に向き合う

2.長生きのリスク・リターンを見極める

3.長生きに伴う身体的なリスクをどう抑えるか

4.金銭的リスクは早めの対策がカギ

5.老化と社会的リスク

6.これからの年代別のリスクを想定していく

7.エピローグ 幸せな死を迎えるために

 

 

この本の冒頭で著者は、「長生きするには仕事を続けよう」「生きるということは人の役に立つということであり、幅広い人の役に立つのには仕事がいちばんなのではないか」と述べています。

 

 

著者の周囲で50代くらいになると資産や収入が十分にあってアーリーリタイア(早期退職・引退)をする人もいるが、毎日やることと言えば以下のようなことで、うらやましいとは全く思わない、と言います。

 

◆ ゴルフ

◆ 美食

◆ 旅行

◆ 別荘遊び

 

あまりにも暇なので、YouTubeネットニュースを見て、つまらないフェイクニュース陰謀論に騙されかけたりしているそうです。

 

 

そして人生100年時代の幸せの条件として、本書では次の3つのリスクをしっかりと管理すること、と提唱しています。

 

◆ 身体的衰えのリスク

◆ 金銭的収入減のリスク

◆ 社会的つながり減のリスク

 

 

これは、私が3年前に拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて提唱して「定年後3大不安」(=3K不安)である「健康」「お金」「孤独」とまったく同じ考え方です。

 

 

 

本書の前半では、長生きリスクその1として、「身体的衰えのリスク」を具体的に説明しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 老化は治療できる病気

◆ 「食べすぎない」ことと「空腹の時間をしっかりとる」こと

◆ 超加工食品(果糖ブドウ糖液糖、パーム油などの植物性油脂)を食べない

◆ 糖尿病を予防するため、できるだけ白米を食べない

 

◆ 糖尿病により3大合併症(網膜症・神経障害・腎症)は怖い

◆ タンパク質の過剰摂取は命の回数券であるテロメアを短くする

◆ プラントベース(植物性)とホールフーズを食べる

◆ 飲酒量はゼロがいい

 

◆ 運動は糖尿病、うつ病の予防につながる

◆ 労働時間は4時間以内がいい

◆ 睡眠ファーストの生活が万病の特効薬、老化や認知症を防ぐ

◆ 良質な睡眠はいかに身体を使い、セロトニンを分泌するかである

◆ 歯周病ががんや認知症を引き起こす

 

 

この本の中盤では、長生きリスクその2「金銭的収入減のリスク」について、以下のポイントを提示・説明しています。

 

◆ 年金生活の最大のリスクは、アップサイドポテンシャル(上昇余地)が一切ないこと

◆ 資産が減る一方だと倹約的な生活になってしまう

◆ 社会に貢献しながら収入を得続けること(=仕事)

◆ ドルコスト平均法の投資でインデックス投信を買う

 

◆ 労働市場でオンリーワンの存在になる

◆ お金を稼ぐスキルがあれば、金融資産は大していらない

◆ 死ぬまで元気に働いて社会貢献ができ、収入を得ている人のロールモデルを探す

◆ お金を陰ぐことは最高のエンターテインメント

 

 

本書の後半では、長生きリスクその3として、「社会的つながり減のリスク」を取り上げています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 身体だけではなく、精神状態を老化させないこと

◆ 若い世代との社会的つながりをしっかりと保つこと

◆ 一生働ける仕事を選ぶ

◆ ギブの5乗で運気を上げる

 

 

とくに「一生働ける仕事を選ぶ」という考え方は私も100%共感します。そのために会社員が最もリスクの少ない方法として実践できるのが「定年ひとり起業」であると、新刊の拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)にて私は提案しました。

 

 

 

この本の最後で著者は、これからの「年代別リスク」を以下の通り、整理しています。

 

◆ 60代は定年もあり、金銭的リスクに注意

◆ 70代は身体的リスクに要注意

◆ 80代は歩けなくなるリスク、金銭的リスク、孤独のリスクに直面

◆ 90代は一人で暮らすこと自体がリスクで良質な施設に入るためのお金を確保

 

 

あなたも本書を読んで、健康、お金、人間関係という3つの「長生きリスク」を解決して、100年ずっと幸福であり続ける稼ぎ方や働き方を学び、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2574日目】