「お金ってじつは単なる記号にすぎない」「お金は増やすよりも使う方が楽しい」と述べている本があります。
本日紹介するのは、大手証券会社で25年にわたって個人の資産運用業務に従事、2001年に確定拠出年金法が施行される前から確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在で、2012年独立後は、「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるように支援する」という理念のもと、資産運用やライフプランニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている、経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表の大江英樹さんが書いた、こちらの書籍です。
大江英樹『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(光文社新書)
この本は、「お金至上主義」でも「アンチお金主義」のいずれでもなく、「お金の呪縛を説くこと」を目的としている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.ホンネ、タテマエ、そして勘違い
2.お金について少しだけ深く考えてみよう
3.〝お金を増やしたい〟という呪縛
4.お金の使い方、減らし方
5.お金よりも大切なもの
この本の冒頭で著者は、「大事なのはお金ではなく、モノやサービスであり、それを提供してくれる人間です。」「世の中の問題はお金が解決するのではなく人が解決するのです。」と述べています。
本書の前半では、「ホンネ、タテマエ、そして勘違い」について、以下のポイントを説明しています。
◆ マネー本では、「地味本」より「派手本」の方が売れる
◆ 実は「地味本」も「派手本」も役に立たない
◆ お金について考えることへの忌避感がある
◆「お金は汚いもの」と考えるのは「嫉妬の論理」
◆「みんなで貧乏に」は間違い
◆ 貯蓄と博打が大好きで、投資が嫌いな日本人
◆「経営者」と「投資家」は同じことをしている
◆ 金融教育では「お金の常識」を教えることが大事
この本の中盤では、「お金について少しだけ深く考えてみよう」および「〝お金を増やしたい〟という呪縛」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ お金は税金を払うためのクーポン券
◆ お金は感謝のしるし
◆ お金のむこうに人がいる
◆ 日本人は「人のためにお金を使う」ことをしていない
◆ 老後不安というナラティブ(物語)
◆ お金を増やすのはそれほど難しくない
◆ 収支をコントロールすること
◆「お金はあとから貯められない」
本書の後半では、「お金の使い方、減らし方」および「お金よりも大切なもの」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ お金は貯めるより、減らす方が難しい
◆「天引き消費」という発想
◆ 好きなことにお金を使う
◆「サラリーマン脳」になると、好きなことがわからない
◆「成仏」すれば、サラリーマン脳から脱却できる
◆ 体験や思い出にお金を使う
◆ 人が賢くなる方法は「人・本・旅」
◆ 自己投資よりも他人への投資を
◆「無駄」と「無意味」は異なる
◆ お金よりも優先すべき「時間」「信用」「健康」「幸福感」
この本の締めくくりとして著者は、「私たちは お金に対する尊敬ではなく、モノやサービスに対する尊敬、そしてそれを提供してくれる『人』に対して敬意を払うべきだと思います。」と述べています。
著者がこの本の中で紹介している次の2冊もとてもいい本なので、併せて読むことをお薦めします。
あなたも本書を読んで、「お金の賢い減らし方」を学び、幸せな人生を送っていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3087日目】