「『教える』から『気づかせる』に変えたリーダーや組織は、どこでも成長しています。」と説き、「『気づき』のマネジメントは、部下自らが気づき、行動を変容させていくもっとも効果的な方法のひとつです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、商社にて経営層と組織のパイプ役として社長秘書を兼務しながら管理職として経理・経営企画・中国ビジネス推進室に従事する中で、5000人以上のリーダーとその組織を見て仕事をしてきた、エグゼクティブコーチ、組織開発コンサルタントの鮎川詢裕子さんが書いた、こちらの書籍です。
鮎川詢裕子『最高のリーダーほど教えない-部下が自ら成長する「気づき」のマネジメント』(かんき出版)
この本は、日本、中国で5000人のリーダー、その組織を変えた「気づき」のマネジメントについて、「教えるマネジメント」と対比させて、職場の人間関係、コミュニケーションの質、部下の成長や組織そのもののあり方が大きく変わっていくことを、分かりやすく説明している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.最高のリーダーは「教えない」で「気づかせる」
2.部下を気づきに導く「かかわり方」【気づきのステップ1】対話の基盤をつくる
3.部下を気づきに導く「聴き取る力&質問力」【気づきのステップ2】聴き取る
4.「気づき」を行動に変えるフィードバックサイクル【気づきのステップ3】行動を計画する
5.「気づき」をもたらす最高のリーダーになる「存在力」
この本の冒頭で著者は、部下の成長をはばむリーダーがやりがちな「3つのこと」を、うまくいかない原因として、次の通り紹介しています。
◆ 部下の行動を変えようとしている
◆ 認識がズレたまま仕事を進めている
◆ 部下の力を引き出すかかわり方を知らない
そして、「気づき」に導く「基本の3ステップ」を以下の通り、挙げています。
1.対話の基盤をつくる
2.聴き取る
3.行動を計画する
それは、気づきやすくするための仕掛けを行い、あなたの質問とかかわり方で気づき、「気づき」を行動に活かし、その行動から気づく、という流れを起こすものです。
本書の中盤は、この「基本3ステップ」のそれぞれについて、リーダーとして、部下が成長するための働きかけにおける具体的なポイントを紹介しています。私の経験からもとくに共感するポイントを以下に挙げます。
◆ 怒らない、否定しない、自由に話せる環境をつくる
◆ 「事実」と「解釈」を分けて考える
◆ 認識のズレを合わせる
◆ 最高のリーダーは「違い」を多面的に捉える
◆ 「聴き取る力」が相手の「気づき」を引き出す
◆ 沈黙は部下の内省のためのゴールデンタイム
◆ 「質問」で相手の可能性を引き出す
◆ 「もし、〇〇だとしたら」はどこでもドアのようなもの
◆ 「気づき」を活かした行動計画
◆ 経験を「気づき」に変える「振り返り」
◆ 気になる部下には1on1ミーティングを行う
◆ 1on1で「気づき」のフィードバックサイクルを回す
この本の最後で著者は、最高のリーダーになる「存在力」について、次のようなポイントを紹介しています。
◆ やり方以上に「あり方」が重要
◆ 自分を稼働させているモチベーションを知る
◆ リーダーシップはエネルギーである
◆ 心から望むものをビジョンや目標に設定する
この本は、自分で「答え」に気づいた時に部下は劇的に成長することを、具体的に説明し、「気づき」のマネジメントを理解するのに最適な本として、多くの悩めるリーダーに推薦したい書です。
あなたも本書を読んで、「教える」から「気づかせる」へ、マネジメント手法を根本から変えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!