書評ブログ

『限りある時間の使い方』

「人の平均寿命は短い。ものすごく、バカみたいに短い。」「80歳ぐらいまで生きるとして、あなたの人生は、たった4000週間だ。」と述べたうえで、「時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールが利かなくなる」という真実を指摘している本があります。

 

本日紹介するのは、イギリスの全国紙ガーディアンの記者として、外国人記者クラブ(FPA)の若手ジャーナリスト賞などを受賞した気鋭のライターで、ガーディアン紙で心理学
に関する人気コラムを毎週執筆中オリバー・バークマンさんが書いた、こちらの書籍です。

 

オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』(かんき出版)

 

この本は、いわゆるタイムマネジメントの本ではなく、時間をできるだけ有効に使うための書です。

 

 

本書は以下の14部構成から成っています。

 

1.なぜ、いつも時間に追われるのか

2.効率化ツールが逆効果になる理由

3.「時間がある」という前提を疑う

4.可能性を狭めると、自由になれる

5.注意力を自分の手に取り戻す

6.本当の敵は自分の内側にいる

 

7.時間と戦っても勝ち目はない

8.人生には「今」しか存在しない

9.失われた余暇を取り戻す

10.忙しさへの依存を手放す

 

11.留まることで見えてくるもの

12.時間をシェアすると豊かになれる

13.ちっぽけな自分を受け入れる

14.暗闇のなかで一歩を踏みだす

 

 

この本の冒頭で著者は、「効率を上げれば上げるほど、ますます忙しくなる。タスクをすばやく片づければ片づけるほど、ますます多くのタスクが積み上がる。」と述べています。

 

 

本書の前半では、なぜ、いつも時間に追われるのか」「効率化ツールが逆効果になる理由」および時間があるという前提を疑う」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 今を犠牲にし続けると、大事なものを失ってしまう

◆ 思い通りにならない人生が、ただ一度きりのチャンス

◆ 現実を直視することは、ほかの何よりも効果的な時間管理術だ

◆ 限界を受け入れ、「何もかもはできない」と認めること

◆ 効率化ツールはタスクを増やすことになり、逆効果

 

◆「もっと効率的にやれば忙しさから逃れられる」という希望をあえて捨てる

◆ インターネットはやりたいことを無限に増やそうとする厄介な代物

◆ すべてを体験するのは不可能だという現実を受け入れる

◆ 永遠は死ぬほど退屈

◆ 人生の全ては借り物の時間

 

 

この本の中盤では、可能性を狭めると、自由になれる」「注意力を自分の手に取り戻す」および本当の敵は自分の内側にいる」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ タスクを上手に減らす3つの原則:➀まず自分の分を取っておく、②「進行中」の仕事を制限する、③優先度「中」を捨てる

◆ 完璧主義者は身動きできない

◆ 選択肢は少ない方がいい

 

◆ 時間と同じく、注意力にも限界がある

◆ 限りある人生をよりよく生きるためには、自身の内に潜む厄介な敵に注意

◆ 本当にやりたいと思っていることに集中できない

 

 

本書の後半では、時間と戦っても勝ち目はない」「人生には今しか存在しない」「失われた余暇を取り戻す」「忙しさへの依存を手放す」および留まることで見えてくるもの」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ どんなに未来を心配しても、時間との戦いに勝てるわけがない

◆ 1日の困難は1日分あれば十分、明日のことを心配してはならない

◆ 人生には「今」しかない

◆「自分は今ここにいる」という事実に気づくこと

 

◆ 余暇を「無駄」に過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法

◆ 何のためでもないことをする

◆ 現代人は本が読めない

◆ 忍耐を身につける3つのルール:➀「問題がある」状態を楽しむ、②「小さな行動を着実に繰り返す、③オリジナルは模倣から生まれる

 

 

この本の終盤では、時間をシェアすると豊かになれる」「ちっぽけな自分を受け入れる」および暗闇のなかで一歩を踏みだす」について、次のポイントを説明しています。

 

◆ 時間の使い方を外部から決めてもらった方が、人は安心して生活できる

◆ 自分が無価値であることに気づいたとき、安心できる

◆ 自分の存在を過大評価すると、「時間を上手く使う」ことのハードルが高くなってしまう

◆「それしかできない」ことをする

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「希望を捨てたとき、あなたは自分の力で歩み出すことができる。」と述べています。

 

 

本書の巻末には、付録として「有限性を受け入れるための10のツール」が掲載されています。以下の10ツールです。

 

1.「開放」と「固定」のリストをつくる

2.先延ばし状態に耐える

3.失敗すべきことを決める

4.できなかったことではなく、できたことを意識する

5.配慮の対象を絞り込む

 

6.退屈で、機能の少ないデバイスを使う

7.ありふれたものに新しさを見いだす

8.人間関係に好奇心を取り入れる

9.親切の反射神経を身につける

10.何もしない練習をする

 

 

あなたも本書を読んで、自分の4000週間を有意義に過ごすための考え方を身につけ、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3076日目】