「女性も男性も、お互いのいいところを活かして職場を支えていくべきです。女性であることをハンディと思わず、むしろ武器にする方法を、オヤジの立場からひもといていきたい」と述べて書かれた本があります。
本日紹介するのは、昨日に続いて、1954年大阪生まれ、早稲田大学商学部を卒業し、三井物産に23年間勤務、ホリプロ取締役を経て、現在は企業風土改革コンサルタント、「世田谷ビジネス塾」「女性社員のために立志塾」を主宰する古川裕倫さんが書いた、こちらの書籍です。
古川裕倫『女性が職場でかしこくふるまう技術』(扶桑社文庫)
この本は、三井物産などで管理職歴25年の著者が女性社員に向けて、「オジサン上司の評価軸」を解説し、男性上司の思考回路を把握して自分が働きやすい職場を作ってしまおう、と応援のメッセージを送っている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.女性たちが知らない「女の強み」
2.女らしさは武器である
3.こんな女性社員は損をする
4.女性たちよ、箱から出よう。今、優秀な女性社員が求められている
5.年を味方につける女磨き。自分を高める女性社員になるために
この本の冒頭で著者は、「採用時には女性のほうがダンゼン優秀だ」と述べています。
これは多くの企業の人事面接官や経営者が実感していることでしょう。では、なぜ入社後に女性社員はなかなか活躍できず、男性社員に抜かれてしまうのでしょうか?
著者の答えは、①採用時に職能区分を設けてしまう、②女性は転勤したくないため一般職を選ぶ、③営業はしたくないという女性が多い、という理由です。
でも、それはたいへんもったいないことで、以下のような「女性が知らない女の強み」をもっと活用すべきだ、と著者は言います。
◆ たくさんのことを同時にこなす能力
◆ 自分のお金で旅行に行く行動力
◆ 自分のお金でセミナーに行く向上心
◆ 5時までの付き合いと割り切れる力
◆ 笑顔が持つ華やかさ
◆ 距離を縮められるかわいらしさ
◆ 上手に冗談や憎まれ口が言える表現力
次に、女性らしさを職場で生かすノウハウとして、本書では以下のことを提言しています。
◆ 笑顔をくせにしよう
◆「優しいフリ」をしよう
◆ 先に相手にしゃべらせれば「控えめ」に見える
◆「気を利かせる」ことは仕事の一部
◆ 帰る前に必ず「報告」をしよう
◆「任せてください」はハッキリ言おう
◆ アドバイスはニッコリ受け取り一晩寝かせよう
◆ 職場の華であることに自信を持とう
◆ “ 雑談 ” を男に聞かせてあげよう
◆ どうでもよいことは上司に決めさせよう
◆ お茶 “ くらい ” 入れてあげよう
◆ 褒め上手になろう
◆ 教えられ上手になろう
◆ 整頓上手だと思わせよう
さらにこの本の後半では、損する女性のタイプや、女性が「箱から出る」ことを具体的にアドバイスしています。
また本の終盤では、自分を高める女性社員になるために、著者からエールを送っています。私がとくに共感するメッセ―ジは次の通りです。
◆「キチンと聞いています」を表現しよう
◆ 論理的な話し方を身につけよう
◆ 自分に対する投資をしよう
◆ たくさん本を読もう
◆ 新聞を読もう
◆ 自分自身の “ 事業計画 ” を作ろう
◆ 自責と他責を知ろう
◆ やらないことを決めよう
◆ 部下育成しよう
◆ メンターを作ろう
本書の巻末には、「日本の男性管理職へのメッセージ」が記されていて、ぜひ企業の男性管理職には読んでほしい内容です。
「ダメ上司さん。自分がダメなところを認めて優秀な女性部下を育てるべきです。」というメッセージは強烈です。
なかなか世界標準の生産性を達成できない日本の職場において、ぜひ女性社員にも男性管理職にも読んでほしい一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!