書評ブログ

『自責社員と他責社員』

企業内変革を遂行する実践型コンサルティングファームの代表が「企業の持続的成長」を支える社員の育て方について書いた本があります。

 

 

本日紹介するのは、APIコンサルタンツ代表取締役社長松本洋さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

松本洋『自責社員と他責社員』(経営者新書)

 

 

この本は、企業風土を変え、成果を出すという点において、並みいるコンサルティング会社の中で、ずば抜けた実力を持つAPIコンサルタンツのノウハウを惜しみなく公開しています。

 

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

 

1.「他責」の思考を招く5大要因とは?

 

2.自分の会社の現実をえぐる

 

3.あなたの自己変革が会社を成長させる

 

4.会社成長ソフトをインストール

 

 

本書の冒頭で著者は、「他責」という病原が会社にはびこるとどうなるか、ということについて具体的に紹介しています。

 

 

「他責」とは、「他」に「責」を求めることで、「しようがない」という「あきらめ」の気持ちしか出てきません。

 

 

反対が「自責」で、こちらは「自分」に「責任」がある、とする態度のことです。つねに「自責」という姿勢で、問題を自分のこととして考えれば、何らかの解決策が見えてきます。

 

 

「他責」思考が会社の成長を妨げているわけですが、なぜ「他責」で考えてしまうのでしょうか。それは、仕事の成功を阻む、以下の5つの阻害要因があるからです。

 

 

1.認識の欠如

 

2.行動の欠如

 

3.知識の欠如

 

4.仕組みの欠如

 

5.あきらめの支配

 

 

これら目標達成を阻む「5つの阻害要因」があるために、仕事をきちんと行いたくても、何をどうしたらよいのかわからず、あきらめに支配されるようになってしまう、と著者は言います。

 

 

さらに本書では、社員の意識を変え、「自責」の思考で仕事に取り組み、目標を達成して、企業を変革していくための手法を具体的に説明しています。

 

 

さまざまな実例も交えながら、提唱されている手法の中で私がとくに感銘を受けた点を以下に紹介します。

 

 

◆ 何のためにするのか(WHY)から考える

 

◆ 現状の延長では実行不可能な大きな「ストレッチ目標」をを立てる

 

◆ 目線が高いからこそ、目標も高くなる

 

◆ 人は、自分の認識と異なる行動をしている

 

◆ アメとムチを与えながら、内発的動機付けを同時に行う

 

◆ 教えるのではなく、質問を投げて考えさせる

 

◆ 目標や問題は、すべて数値に置き換えて考える

 

 

 

また、「成長阻害要因」を発見するためのチェックリストを以下のように公開しています。まずは会社についてです。

 

 

◆ 目的が不明確な会議が行われていないか

 

◆ 朝礼に、毎朝行わなければならないだけの意味があるか

 

◆ 会社全体の目標と、部門ごとの目標、個々の社員の目標が連携しているか

 

◆ 管理帳票が、結果の管理だけでなく改善のために活用されているか

 

 

次に、個々の社員についてのチェックリストは以下の通りです。

 

 

◆ 部門のミッションや、自身の役割、目標について具体的に答えられるか

 

◆ 日々の仕事で、自分が何をどこまでやるべきか認識しているか

 

◆ 部下に、何をどこまでやってほしいのか指示をしているか

 

 

以上のチェックをして分かることは、「あなたが考える良い行動が、会社が願う行動とは限らない」ということです。

 

 

 

最後に本書では、「解決すべき問題は、目標と実績のギャップにある」として、目標と実績(現実)の間の「5つのギャップ」を以下のように挙げています。

 

 

1.予測値の甘さ

 

2.施策の不足

 

3.行動計画の不足

 

4.行動量の不足

 

5.スキルの不足

 

 

つまり、管理者の仕事は、部下に目標を達成させることで、すなわち、部門の方向性を決め、部下を成長させることです。

 

 

とくにショート・インターバル・コントロール(SIC)がポイントです。より短い間隔で計画を立て、その期間における計画と実績との差異を分析して、必要な対策をとることを本書では提唱しています。

 

 

そして、問題の再発防止策は、考えさせて実行させることです。

 

 

あなたも本書を読んで、自らが「自責」社員になって、企業を変革させてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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