書評ブログ

『人生を最大限に生きる』

「あなたの人生を最高傑作にするのは、あなた自身である」――そんな力強い言葉で、人間の可能性を信じる勇気を与えてくれる一冊があります。

本日紹介するのは、1850年アメリカ・ニューハンプシャー州生まれ、7歳で孤児となるも、スマイルズの『自助論』に感銘を受けて勉学に励み、ハーバード大学医学部に進学。その後、実業家としてホテル経営に携わったのち、40代で自己啓発作家へと転身。1894年に発表した代表作『前進あるのみ(Pushing to the Front)』が世界で1,000万部、日本でも明治期に150万部を突破する空前のベストセラーとなり、後のナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、中村天風、松下幸之助、稲盛和夫らに多大な影響を与えた、成功哲学の祖とも呼ばれるオリソン・マーデン(Orison Swett Marden)さんが書いたこちらの書籍です。

オリソン・マーデン『人生を最大限に生きる』(ディスカヴァー携書)


この本は、19世紀のアメリカで「聖書の次に人生を変えた書」と称されたマーデンの膨大な著作群から、人生哲学のエッセンスを抽出・再編集した現代版成功論です。
一発逆転の奇跡を説くのではなく、「信念・努力・誠実・感謝・愛」という普遍の原理をもとに、人間が自らの人生を創造していくための “心の法則” を217のメッセージにまとめています。


本書は以下の8部構成から成っています。

Ⅰ.自分の可能性を信じる

Ⅱ.粘り強く努力する

Ⅲ.人間関係を大切にする

Ⅳ.引き寄せの法則を活用する

Ⅴ.人生を楽しむ

Ⅵ.信念を持つ

Ⅶ.幸運をつかむ

Ⅷ.愛情と友情をはぐくむ


本書の前半では、「自分の可能性を信じる」および「粘り強く努力する」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 人間は誰しも“無限の可能性”を内に秘めている

◆ 「できない理由」ではなく「できる方法」を探す人が成功する

◆ 才能よりも“信念の強さ”が運命を決める

◆ どんな夢も“粘り強い努力”の積み重ねから生まれる

◆ 失敗は挫折ではなく、“成功のための必要経費”である


この本の中盤では、「人間関係を大切にする」および「引き寄せの法則を活用する」を中心に、人と世界を味方にするための思考と行動が語られます。主なポイントは次の通りです。

◆ 他人を敬う人は、最終的に最も多くの支援を得る

◆ 人は“思考の波動”に似た人や出来事を引き寄せる

◆ 感謝は最強の磁力――ポジティブな現実を生み出す源泉

◆ 幸運は偶然ではなく、日々の心の姿勢が呼び込むもの

◆ 「ありふれた経験に喜びを見いだす人」が、真の幸福者


本書の後半では、「信念」「幸運」「愛情と友情」をテーマに、人生をより高次に生きるための “精神の原理” が示されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ どんな困難も、「信念」を持つ人の前では試練に変わる

◆ 「運がいい人」とは、準備と感謝を怠らない人のこと

◆ 愛する力・信じる力こそが、人生最大の成功の証

◆ 真の幸福とは、“他者に与える喜び”を感じられること

◆ 自分の人生を最高傑作にするのは、他の誰でもなく自分自身


本書の魅力は、100年以上前に書かれたとは思えないほど、現代の自己啓発書の核心をすべて内包している点にあります。
ナポレオン・ヒルやカーネギーの思想の源流にある「人間の可能性への信頼」を、ここまで明快かつ温かく語った書はほかにありません。

「信念を持ち、努力を惜しまず、感謝を忘れない」――この普遍の原理を貫くことこそが、“人生を最大限に生きる” ということ。
迷いや不安を抱くすべての人にとって、本書は原点に立ち返るための永遠の指針となるでしょう。


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では、今日もハッピーな1日を!【3900日目】