「仕事よりも自分優先で生きる方法を教えます!ゆとりも成功も手に入れられるたった一つの考え方とは?」と説いている本があります。
本日紹介するのは、社会派ブロガーのちきりんさんが書いた、こちらの新刊書籍です。
ちきりん『自分の時間を取り戻そう-ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ダイヤモンド社)
この本は、以下の4人の働き方を事例にして、全ての人に共通する「忙しさの本質」を分析し、その対処法を解説している書です。
◆ 残業ばかりで限界の管理職
◆ 家庭と仕事の両立に悩む母親
◆ 働きづめのフリーランス
◆ 会社が伸び悩んできた起業家
一見すると現代の勝ち組になりつつあるような4名ですが、その働き方が限界に達し、悩み深い状況になっている様子がリアルに描かれています。
それぞれ違った「働き方」や「ライフスタイル」に見える4人ですが、共通しているのは、働く時間を増やすことで成果の拡大を目指している、ということです。
そうしたやり方はいずれ物理的、身体的、精神的な限界に達して、破綻してしまう、と著者は言います。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.「忙しすぎる」人たち
2.高生産性シフトの衝撃
3.よくある誤解
4.どんな仕事がなくなるの?
5.インプットを理解する-希少資源に敏感になろう
6.アウトプットを理解する-欲しいものを明確にしよう
7.生産性の高め方①-まずは働く時間を減らそう
8.生産性の高め方②-全部やる必要はありません
9.高生産性社会に生きる意味
10.それぞれの新しい人生
上記に事例として挙げている「忙しすぎる4人」に共通する本質的な問題とは、「生産性の概念を理解していない」ことだ、と著者は言います。
生産性とは、「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。
著者のちきりんさんは、前著では「社会の市場化」を指摘して、「マーケット感覚を身につけよう」と提唱しました。
そしてこの本では、「高生産性社会へのシフト」を指摘して、「自分の時間を取り戻そう」と提唱しています。
本書で言う「高生産性社会へのシフト」とは、社会全体が、生産性が高まる方向にどんどん動いていく、と言う意味です。
例えば、個人が自分の空き時間に自家用車で乗客を運び、乗車賃を稼ぐUber(ウーバー)のようなサービスや、個人が空き部屋や空き家を宿泊場所として貸し出すAirbnb(エアビーアンドビー)といったサービスの拡がりが、その事例です。
「社会の高生産性化は不可避であり、もはや後戻りすることはありません。」と著者は言います。
そうした観点から、著者は、学校教育や長文のメールを書くことなど、生産性の低い活動は、いずれ競争力がなくなり生き残れない、と指摘します。
また、本書および前著『マーケット感覚を身につけよう』(ダイヤモンド社)の前に、最初の著作である『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社)を合せて3部作になっています。これもとてもいい本です。
本書の中盤以降では、生産性を高める方法として、以下の2点を提案しています。
◆ まずは働く時間を減らそう
◆ 全部やる必要はありません
上記の最初にある「働く時間を減らす」方法として、以下の5つを具体的な施策として挙げています。
1.1日の総労働時間を制限する
2.業務ごとの投入時間を決める
3.忙しくなる前に休暇の予定をたてる
4.余裕時間をたくさん確保しておく
5.仕事以外のこともスケジュール表に書き込む
また、「全部やる必要がない」ことについては、次の4点を具体的施策に挙げています。
1.「すべてをやる必要はない!」と自分に断言する
2.まず「やめる」
3.「最後まで頑張る場所」は厳選する
4.時間の家計簿をつける
本書の最後に、著者ちきりんさんの結論が、次のように記されています。
「生産性を意識すると、人生の希少資源である時間やお金を、自分が本当に手に入れたいモノだけのために使えるようになります。」
そして、生産性を上げようと真剣に取り組むと、その過程で次のようなご褒美を得ることができる、と著者は言います。
◆ いつのまにか成長できていること
◆ やりたいこととそうでもないことが、明確に区別できるようになること
◆ 自分の人生の希少資源の使い途に関して、他人の目が気にならなくなること
あなたも本書を読んで、「高生産性社会へのシフト」に備え、生産性を高めて、自分の時間を自分の手に取り戻し、やりたいことを全部やれる人生を手に入れてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を