ちきりんさんは、関西出身の元證券ウーマンで、2005年春から始めた 「おちゃらけ社会派」 と称したブログ 『Chikirin の日記』 が人気を博している。
現在は、フリーとなって 「好きなこと、楽しいことだけをして」 暮らす生活を実践している。本書は、ちきりんさんが外資系企業に勤務していた頃から自ら試行錯誤して体得した 「自分のアタマで考える」 ことを述べた注目の書だ。
著者によれば、「知識」 は過去の事実の積み重ね(=他人の思考)で、「思考」 は未来に通用する論理の到達点であって、両者を区別することが重要だという。
「考える」 というのは、インプットである 「情報」 をアウトプットである 「結論」 に変換するプロセス、と言うこともできる。すなわち、「情報」 と 「思考」 のバランスが大切だ。
本書の構成は以下の通りで、実に理路整然と、「自分のアタマで考える」 ことの重要性が述べられている。
1.「知っている」 と 「考える」 はまったく別もの
2.最初に考えるべき 「決めるプロセス」
3.「なぜ?」、「だからなんなの?」 と問うこと
4.あらゆる可能性を検討しよう
5.縦と横を比べてみよう
6.判断基準はシンプルが一番
7.レベルをそろえて考えよう
8.情報ではなく 「フィルター」 が大事
9.データはトコトン追い詰めよう
10.グラフの使い方が 「思考の生産性」 を左右する
11.知識は 「思考の棚」 に整理しよう
12.まとめ
13.さいごに
14.参考文献
とくに、最後に出てくる 「知識」 (= 情報) を 「思考の棚」 に整理する、ということは、予測不可能な現代社会におけるビジネスパーソンには必須のスキルだ。著者は以下の3ステップを強調する。
1.知識は思考の棚に整理すること
2.空いている棚に入るべき、まだ手に入っていない知識を常に意識すること
3.それらの知識が手に入れば言えるようになることを、事前に考えておくこと
そして、「まとめ」 として、「考える」 って結局どうするのか、を以下の通り整理して述べている。
1.いったん「知識」 を分離すること
2.「意思決定のプロセス」 を決めること
3.「なぜ?」、「だからなんなの?」 と問うこと
4.あらゆる可能性を探ること
5.縦と横に並べて比較してみること
6.判断基準の取捨選択をすること
7.レベルをごっちゃにしないこと
8.自分独自の 「フィルター」 を見つけること
9.データはトコトン追いかけること
10.視覚化で思考を深化させること
11.知識は 「思考の棚」 に整理すること
本書は、1万冊の書籍を読破する読書家としても有名な、ライフネット生命CEOの出口明治氏が推薦する書で、本文中に出口氏とのやり取りも記されている。すべてのビジネスパーソンにぜひ読んで欲しい一冊だ。
2020年4月26日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』、今日は【第76回】自分のアタマで考える、にて紹介しています。
では、今日もハッピーな1日を!