世の中に子供の教育に関する本は多数、出版されていますが、普通の父親が普通の小学生を教えるのに役立つ本は意外と少ないのではないでしょうか。
本日紹介するのは、四児の父・あべっかんさんが書いた、こちらの電子書籍新刊本です。
あべっかん『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法-小学生のパパ編-』(金風舎)
この本は、ITエンジニアで四児の父である、あべっかん さんが四人の子育てで試行錯誤しながら得てきた「教育パパ」としてのエッセンスを書いた書です。
二人の息子と二人の娘という四人の子育てをしているというだけで凄いと思いますが、著者はITエンジニアとしてビジネスの最前線で活躍するかたわら、ブログ『賢い子を育てるプロジェクトマネジメント』の更新もしています。
本書は、そのブログがもとになり、とくに小学生向けの教育を親としてどういう視点で行ったらよいかに絞って編集されています。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.教育パパの心得
2.低学年のうちにパパがやるべきこと
3.高学年の勉強にパパが立ち向かうには
本書の冒頭には、「はじめに」のほか、「登場人物」も紹介され、読みやすい工夫がされていると同時に、最初から親しみが湧きます。
また巻末には、「付録」が付いており、今の小学校のあり方について、著者なりの厳しい指摘が紹介されていて、これがなかなかに的を得ているので、小学校関係者は耳が痛いことでしょう。
本書が他の類書と違うところは、小学校の科目別に具体的、実践的に著者の教え方の工夫が紹介されている点です。
とくに写真やイラストなどによって使用したツールが紹介されているので、すぐにでも読者の家庭での教育に取り入れることができます。
著者のあべっかん さんは理系のITエンジニアという頭の良さに加えて、なかなかのアイデアマンで、父親の立場で読むと「なるほどこういう教え方があるのか」と、納得させられる箇所がいくつもあります。
またもうひとつ、著者は一度で覚えられない娘に対して、何度も実験をしたりツールを使って教えて定着させるといった、親としての深い愛情が本書からは感じられます。
忙しい現役のITエンジニアなのに、四人の子供の教育に熱心に取り組む姿を想像すると、頭が下がる思いです。私は息子と娘の二人の子育てをしてきて、ふたりとも中学受験をして中高一貫校へ進学した経験があるので、親の大変さはよく分かります。
また、本書を読んで私が真っ先に浮かんだ書が、中学受験する子の親のバイブルと言われる三田誠広さんの次の名著です。
三田誠広『パパは塾長さん』(河出書房新社)
この本は、都内の有名進学校である私立中高一貫校を目指した父と子の中学受験奮戦記として、中学受験に取り組む親たちの間では通称『パパ塾』と呼ばれるバイブルになっています。
本書を紹介している2013年11月10日付ブログの書評はこちらです。
まさに塾長になったように子どもの受験勉強を指導する三田さんの奮闘ぶりが書かれた本ですが、「ここまではできないよね」というのが、親たちの感想です。
あべっかん さんの『イクメンから教育パパにキャリアアップする方法-小学生のパパ編-』の場合は、「我が家でもできそうだ」と感じるところが価値ある部分ではないでしょうか。
そういう意味で本書は、芥川賞作家・三田誠広の伝説の名著に匹敵するくらい、ともに読む価値のある「中学受験のバイブル」と言えるでしょう。
中学受験を目指す親、とくに父親にはぜひとも読んでもらいたい名著として、心から推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を