「テクノロジーの進化により、デジタル技術がいよいよ生命科学に本格的に融合し、そのため150歳まで生きられるのではないか」と述べている本があります。
本日紹介するのは、メディアを超えて横断的に活躍し、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般に関わる仕事をする高城剛さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
高城剛『不老超寿』(講談社)
この本は、いま出ているすべての健康本に疑問を呈し、ここ数年テクノロジーの進化によって抜本的に変わった最先端医療を扱い、早期発見や予防医療を超えた「予測医学」の本です。
本書は以下の5部構成からなっています。
1.はじめに-超先端医療で見つかった僕の「膵臓がん」
2.年齢を戻す!? すでに米国で始まっている遺伝子施術
3.日本で受けられる「3つ星!最先端医療検査」
4.未来医療は、どこに行くのか
5.おわりにーAIを超えるには、人類も「Human3.0」へと深化しなければならない
この本の冒頭で著者は、人類はテクノロジーを手に入れ、いよいよ神の領域に入ろうとしている、と指摘しています。
アンチエイジングを超え、100歳でも元気なハイパーエイジングの時代へ入り、それを著者の高城さんは「不老超寿」と呼び、本書のタイトルにもしています。
この本では、驚きの事実が次々に記されていて、何が正しいのかを考えさせられます。著者の結論は、世の中に流布されている健康、医療に関する情報は、万人にすべて当てはまるものはなく、「人によって正解が違う」ということです。
つまり、医療や健康は「個別化の時代」に入った、著者は言います。健康に良いと触込む食品や運動方法など数あれど、本当に健康に良いかどうかは、まさに人によるのです。
最先端医療については、著者の「膵臓がん」が発見されるきっかけになった「ミステル検査」(血中エクソソーム内の m-RNA を調べる検査)や、次世代シーケンサーで「腸内フローラ」のゲノム解析(遺伝子検査)を行う技術が紹介されています。
詳細なことは専門的すぎて、私もよく分かりませんが、テクノロジーの進化で遺伝子に関する様々な仕組みや情報が解明されるにつれて、従来の医学とは次元の異なる領域に達しつつあるのが、本書を読むと感じられます。
本書で述べられている「不老超寿」のための最先端医療技術で、私がとくに重要だと理解した論点は以下の通りです。
◆ 個別化医療(オーダーメイド医療=精密医療)の時代
◆ 遺伝子テスト(=DNA検査)を可能にしたフルシーケンス
◆ テロメアを伸ばし年齢を逆行させる遺伝子治療
◆ 分子栄養学に基づく「栄養分析プログラム」
◆ 遅発型の食品アレルギーを見つける IgG 検査
◆ セロトニンの90%以上を作る腸内フローラ検査
◆ ストレスを可視化する「24時間ステロイドホルモン代謝」検査
◆ 同じくストレルを可視化する「唾液コルチゾール」検査
◆ 生まれつきの個性を示すSNP(スニップ)検査
◆ 遺伝子中のタンパク質・代謝物を解析して食品が体に与える影響を研究する「ニュートリジェノミクス」
◆ 体内の有害重金属を調べる「オリゴスキャン」、「プロボケーションテスト」
◆ 体内の有毒化学物質の蓄積を調べる「有毒有機化学物質検査」
◆ 心臓の血管の詰まり具合を見る「MCG解析」
◆ がんの超早期診断システムのミアテスト(MiR Test)と遺伝子の強度を調べる「テロメアテスト」がひとつになった「ミルテル検査」
◆ DNAの塩基配列を解明した次世代シーケンサー
また、この本の最後で著者は、「強い意識」を持つことが、脳を強力に働かせることに成功し、それによって各種ホルモンや神経伝達物質が物理的に動きはじめる未解明の人間の可能性について、研究や討議がなされている、と紹介しています。
「病は気から」は、「意識」や「気」が病気をコントロールし、人間の能力を大幅にバージョンアップする可能性を示唆していると本書では説明しています。
最先端のテクノロジーによる「情報医療革命」が、「生命とは何か?」という問いの回答に近づきつつある、と著者は指摘します。
20世紀後半に大きく進歩した「デジタル革命」は、大型コンピュータに始まり、パーソナルコンピュータとインターネットの世界的普及につながりました。
そして、身体にピッタリとくっついて離れないスマートフォンを経て、「人間の心身のデジタル化」という最終段階に入り、不可侵だった領域に突入した、と本書では述べています。
あなたもこの本を読んで、「情報医療革命」の本質と未来医療について、学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を