書評ブログ

『24色のエッセイ〜人生を変える文章塾「ふみサロ」の奇跡』

元書籍編集者塾長を務め、プロデューサーベストセラー作家ゲスト講師に招いて運営するエッセイ塾「ふみサロ」塾生24名によるエッセイ集が刊行されました。

 

 

本日紹介するのは、講談社、角川学芸出版に勤務、編集長を経験した後独立して、2014年に株式会社Jディスカヴァーを設立して出版セミナーなどのイベントを開催、現在は青山学院大学非常勤講師「ふみサロ」塾長城村典子さんと、女性起業ブランディング専門家ベストセラー作家で、「ふみサロ」プロデューサー兼ゲスト講師後藤勇人さんが指導し、ふみサロエッセイ集製作委員会による、こちらの新刊書籍です。

 

 

ふみサロエッセイ集製作委員会『24色のエッセイ〜人生を変える文章塾「ふみサロ」の奇跡』(みらいパブリッシング)

 

 

この本は、毎月選定された「課題本」を読み、そこから得たインスピレーションをもとにエッセイを書いて、参加者同士で講評し合う「リブリオエッセイ」から生まれた24名の著者が織りなすエッセイ集です。

 

 

「自分の感じたことを書く」「他者との価値観の違いを楽しむ」という方針で運営されるエッセイ塾「ふみサロ」(城村典子塾長)塾生24名が著者というカラフルな個性溢れるエッセイの詰め合わせとなっています。

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

1.ハジマるエッセイ塾

2.もっとヘンなエッセイ

3.朝と夜のはざまにエッセイ

4.なつかしあわせエッセイ

 

5.『父滅の刃』エッセイ

6.「ツレうつ」エッセイ

7.エッセイを書くと、なぜ人生が分かるのか?

8.エッセイを書くと、なぜ人生が変わるのか?

 

 

この本の冒頭で、「ふみサロ」エッセイ集製作編集委員で1期生の吉田真理子さんは、「本から『刺激』を受け、自分の中に取り入れ、発露した感覚を、自分の過去のエピソード(出来事)の材料と交えてエッセイを書く」という「リブリオエッセイ」のコンセプト(城村典子塾長による定義)を紹介しています。

 

 

本書では各章ごとに「課題本」に対する塾生のエッセイが掲載されています。「課題本」は計13冊ですが、私がたまたま読んでいた本と、その本に関する印象に残ったエッセイを以下に紹介します。

 

 

斉藤ゆき子『奇跡の朗読教室-人生を変えた21の話』(新泉社)

 

◆ 花野井美貴子: 自我の解放

「ジョハリの窓」は、私もリーダーシップ研修やキャリア研修でよく活用する心理学の手法で、セルフアウェアネス(自己認識)にとても有効な手法・コンセプトです。

斉藤ゆき子さんが実践する「朗読教室」も素晴らしく、朗読によって人生が変った人が数多くいることが分かる素晴らしい本です。

 

◆ 瓶子かずみ:「読む人」から「奏でる人」に

~ 普通の人々が「物語の語り手」になり自分の人生や価値観を見つめ直し、文字を「読む人」から「奏でる人」になっていく物語である斉藤ゆき子著『奇跡の朗読教室-人生を変えた21の話』の魅力を紹介しています。

 

 

後藤勇人『女性が仕事で夢を叶える! 心磨き7レッスン』(みらいパブリッシング)

後藤勇人『結果を出し続ける人が朝やること』(あさ出版)

後藤勇人『結果を出し続ける人が夜やること』(あさ出版)

 

◆ 吉田真理子: ただいまのあと

「ただいま」は戦闘開始の合図だったが、「今日一日頑張った自分」に対して「ご苦労様」と言ってねぎらってやる意味がある、という。子育てをする主婦の気持ちがよく分かる、とてもいいエッセイです。

 

◆ kokko: ならば、どんな今日を過ごそうか?

「未来は今日の続きにあります。今日の変化が未来の変化になります。」という後藤勇人さんの著書の言葉を引用。自らの生い立ちや経験を重ね合わせた「どんな今日を過ごそうかか。」と締めくくられたエッセイは心を打たれます。

 

◆ 今村公俊: ピンチはチャンス

「新型コロナウイルスの影響がなければ、遅々として進まなかったオンラインシステムが、これほど速いスピードで人々の間に浸透することはあり得なかっただろう。」という思いは、100%同感。「ピンチがチャンスになるなんて、何が幸いするかわからない。」と結ぶエッセイに何度も頷きました。

 

◆ 阿部勇二: Twitterで、誰でも出来るプチ情報発信の魅力とは?

情報発信を始めるのに、Twitterほど適しているITツールは無いと私は実感しています。11年以上前の2009年12月24日に始めた私のTwitter。ハワイ情報を毎日つぶやき続けてフォロワー25万人「Twitterのお陰で、ささやかな『自分の大好き』が、もっと大好きになりました。」というエッセイの中の言葉に心から共感しました。

 

 

本書の最後の2章は、「3つの価値観」に基づくエッセイ(自由課題)で、人生を考えるヒントが満載で、とても興味深く読めてお薦めです。ご紹介した5名の著者のほかに19名の著者のエッセイが掲載されています。以下の24名の著者です。

 

◆ 朝日陽子

◆ 阿部勇二

◆ 伊藤よしき

◆ 今村公俊

◆ 大森奈津子

◆ 河和旦

 

◆ かわいはなこう

◆ kokko(こっこ)

◆ 坂本圭

◆ 咲田栞里

◆ 添田衣織

◆ 鶴田恵美子

 

◆ 中村美香

◆ ねもとよしみ

◆ 羽木桂子

◆ 花野井美貴子

◆ 瓶子かずみ

◆ 真恵原佳子

 

◆ 南由佳

◆ 三宅千秋

◆ 村上三保子

◆ 横須賀しおん

◆ 横山人美

◆ 吉田真理子

 

 

また、この本の各章の最後には、以下のテーマコラムが掲載されていて、それも魅力です。

 

◆ フミサロノオキテ(「ふみサロ」の掟)

◆ 詩集を読んだら、詩人は〇〇〇〇

◆ 絵本、詩集、ビジネス、表紙、・・・・

◆ エッセイの舞台裏

◆ エッセイの舞台裏(2)

◆ エッセイ書くと人生は変わる

 

 

本書の最後には「ふみサロ」五つの心得が以下の通り紹介されています。

 

1.タイトルには気を使うべし!

1.正論や常識は避けるべし!

1.長文は減らすべし!

1.難語は避けるべし!

1.できるだけユーモアのある表現を心がけ、締めの一文を大切にするべし!

 

 

なるほど、どのエッセイも最後の締めの一文が見事です。お気に入りの著者が見つかり、あなたもきっと書きたくなる本で、ぜひ一読をお勧めします。

 

 

あなたも本書を読んで、「人生を変える、文章の冒険の旅」に出てみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2563日目】