「フリーランスはどのように仕事を獲得し、安定して継続すればよいのか。また、副業の場合はいかに本業と両立させればよいのか。」と問いかけている本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学在学中の2004年にPR会社ビルコムの創業期に参画、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了、同大学院政策・メディア研究科博士課程で学生と職員の二足の草鞋を履き、出産を機に退学、専業主婦を経験、現在は広報や執筆業を主軸にフリーランスで活動する傍ら、2017年にプロボノの社会活動としてプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会を設立、政府検討会の委員・有識者経験多数の平田麻莉さんが書いた、こちらの書籍です。
平田麻莉『副業・フリーランス 稼げる自分になる仕事術』(NewsPicks Select)Kindle版
この本は、5万4千人を超えるフリーランス協会の会員・フォロワーに対して実態調査やセミナーを開催してきた経験や著者自身が企業広報や文化人のタレントマネジメント、執筆業等の仕事でフリーランスとして働きながら得た学びに基づき、個人で仕事をする上での基礎知識から、案件の獲得や値付け、本業との両立の方法といったリアルなトピックまでを、体系的に解説した書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.副業、フリーランス。新しい働き方へ踏み出す方法
2.副業・フリーランス「案件獲得」3つのポイント
3.長く活躍するために。値決めと継続受注のコツ
4.副業・フリーランスでぶつかる「壁」の乗り越え方
この本の冒頭で著者は、「自分がどんな風に働き、生きていくのかは、自分で決めたい。自分のキャリアの手綱は自分で持っていたい。そんな風に考えて、キャリア自律を志向する人が増えています。」「キャリア自律のためにフリーランスや副業を志向する人が急増しているのです。」と述べています。
本書の前半では、「副業、フリーランス。新しい働き方へ踏み出す方法」について、以下のポイントを説明しています。
◆ テクノロジーの発展で副業や独立の敷居が低下
◆ 少子高齢化と労働人材不足で経済縮小
◆ 多様な働き方が求められる時代に
◆ 内閣官房の「フリーランス実態調査」では国内フリーランス462万人
◆ そのうち副業248万人
◆ 副業に対する企業のスタンスは異なる
◆ 副業解禁の目的も関与度も十社十色
◆ 副業を解禁している会社は「成果主義の導入」が共通
◆ 副業の大半は「業務委託」
◆ 今の自分の延長で価値提供を
◆「ある程度、どの仕事も回せる」人材、PM的な役割の人材
◆ 自分のクレジットを積み重ねる
◆ 価格競争で単価が上がりづらいクラウドソーシング
◆ 副業・兼業のエージェントサービスの利用
◆ 自分の仕事を意識する
◆ 副業はリスク低いが、即戦力が求められる
◆ 自分にとって、しっくりくる働き方のバランスを
この本の中盤では、「副業・フリーランス 案件獲得3つのポイント」および「長く活躍するために。値決めと継続受注のコツ」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ ①既存の人脈を生かす
◆ ②マッチングサービスを利用する
◆ ③コミュニティにコミットする
◆ これまでの仕事を業務委託に切り替える
◆ 今後起こる働き方の変化は、①流動化する個人
◆ ②プロジェクト化するチーム、③ネットワーク化する組織
◆ マッチングサービス4つの型:①プラットフォーム型
◆ ②再委託型、③あっせん型、④メディア型
◆ プラットフォーム型は手軽な一方、報酬が安く、悪質なクライアントのリスクも
◆ エージェント型は、報酬高くサポートもある一方、報酬の一定割合フィー負担が継続
◆ マッチングサービスは最初の出会い、直接依頼が理想のキャリアパス
◆ 何げない出来事が発端で仕事が生まれることも
◆ 自分にとってキャリアアップにつながる仕事を選ぶ
◆ 自分の提供価値が上がるか、望ましい働き方に近づくか
◆ 中長期的にいかに生産性が高くなるよう時間配分できるかがカギ
◆ 生産性を上げていくには、必ず自己投資が必要
◆ 常に自己研鑽に励む、新規の取引先や事業の柱を開拓する
◆ 若い世代のスタイルに適応していく
◆ 仕事をもらう側から与える側にまわる
◆ 自己投資のトップは「書籍を購入する」
◆ お金にとらわれず仕事を選べることが、副業やフリーランスの醍醐味
◆ 複数の報酬の組合せ、共感によるマッチングでパフォーマンスを最大化
◆ 言い値で仕事を受ける「イエスキャンペーン」を期限付きで行う
◆ 相手の期待値を超え続ける、業務委託は究極の成果主義
◆ 顧客/市場のニーズ把握力が重要
◆ セルフブランディンング
本書の後半では、「副業・フリーランスでぶつかる壁の乗り越え方」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 副業が直面する2つの壁:①本業とのコンフリクト、②キャパオーバー
◆ 相手のメリットを第一に考える
◆ 効率よく結果を出せる仕事を選ぶ
◆ 長い人生をかけて自分のクレジットをしっかり積み上げていく
◆ それぞれの仕事に対して、KPIを明確にしておく
◆ 自分の予定をある程度オープンにしておく
◆ フリーランスは立場が弱いので、やりとりは「履歴を残す」
◆ フリーランス・トラブル110番に相談
本書で紹介・解説しているフリーランスや副業で稼ぎ続けるためのポイントは、拙著『定年ひとり起業』シリーズ3部作(いずれも自由国民社)で私が提唱している「トリプルキャリア」で生涯現役という働き方と多くの共通点があり、共感しました。
この本の締めくくりとして著者は、「副業やフリーランスではたらことは、あくまでその自己実現のための一つの手段です。」「大切なのは、自分の中に軸を持つことです。」と述べています。
あなたも本書を読んで、キャリア自律を実現させる副業やフリーランスで、しっかり稼いでいきませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
https://www.youtube.com/@user-kd3em9nm4q/featured
では、今日もハッピーな1日を!【3182日目】