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『難しい相手もなぜか本音を話し始めるたった2つの法則』

「相手の本音を引き出すことは、家族や友人との関係だけでなく、ビジネスの現場でも大きな意味を持ちます。」と述べて、「潜在的ニーズ」の重要性を説き、「油田堀メソッド」「LABプロファイル」という2つの法則を紹介・解説している本があります。

 

 

本日紹介するのは、大学を卒業後、大手飲料メーカー・サントリーを経て、NHKキャスターに転身、11年間NHKの情報・報道番組を担当した後、フリーアナウンサーとして活動、2002年に株式会社メリディアンプロモーションを設立、現在は同社代表取締役、ラジオ・パーソナリティ、イベント司会、大手企業の講演会や研修の講師など幅広く活躍し、日米NLP協会公認公式認定資格プラクティショナー、LABプロファイルマスタープラクティショナー牛窪万里子さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

牛窪万里子『難しい相手もなぜか本音を話し始めるたった2つの法則 入門・油田掘メソッド』(日経BP社)

 

 

この本は、隠れた本音を引き出し、相手の「無意識」を意識化するメソッドである油田堀メソッドと、それを開発するベースとなった「LABプロファイリング」とその活用法を紹介・説明し、コミュニケーション力を高める目的で書かれたものです。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.相手の本音を引き出す「油田堀」メソッドとは?

2.相手の本音を導くウォーミングアップ

3.よくある行き違いへの対処法

4.相手のタイプ別に攻略法を変える

5.油田堀&LABプロファイルは、こんなときも役立つ!

6.さらに上級者になれる会話のコツ

 

 

この本の冒頭で著者は、「油田堀メソッドにセンスや教養は必要ありません。」「なぜなら、油田堀の基本は『オウム返し』を適切に行うこと、ある意味、受け身でできる質問テクニックだからです。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「相手の本音を引き出す油田堀メソッドとは?」および相手の本音を導くウォーミングアップ」について説明しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 油田堀とは、キーワードを拾って「深く掘り下げる」

◆ 相手の本音は「キーワード」の向こうになる

◆ 質問には「どんな」「どう」「いかが」などを使う

◆ 相手のキーワードをそのまま使って次の質問をする

 

◆ キーワードが複数出たときは、自分が興味を持つ方に展開

◆ 事実だけでなく、相手の価値観が表れるキーワードを

◆ 自分にとって違和感のない言葉で話しかけられると心を開きやすい

◆「相手の話を途中で遮らない」に意識を集中する

 

◆ 初対面の人にはまず「露天掘」で共通項を見つける

◆ 内容を絞った台本を用意しておく

◆ 周辺の質問から攻めていく

◆ リハーサルとポジションチェンジ法で準備を完璧に

 

 

この本の中盤では、「よくある行き違いへの対処法」および相手のタイプ別に攻略法を変える」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 相手の話をまとめて区切りをつける

◆「勘違いしていました」と告げて立て直す!

◆ 口数が少ない人には、丁寧に油田堀をしていく

◆ 直前の相手の言葉を繰り返すだけの相づちが有効!

 

◆ 沈黙は話を切り替える合図

◆ 表情、しぐさ、視線などに拒否反応が出たら質問を変える

◆「間」を利用して一度話をまとめ、軌道修正をする

◆ 嫌いな相手にあえて会う時間をつくる

 

◆「LABプロファイル」とは「影響言語」と訳され、相手が使う言葉から、思考や行動パターンを分析するメソッド

◆ 響く言葉は「質問」で見極める

◆「判断基準」の2パターン(外的基準と内的基準)

◆「思考の方向性」2パターン(目的志向と問題回避)

◆「知覚チャンネル」4パターン(視覚・聴覚・読解・体感覚)

◆「選択理由」2パターン(プロセス・オプション)

 

 

本書の後半では「油田堀&LABプロファイルは、こんなときも役立つ!」およびさらに上級者になれる会話のコツ」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 短いやり取りからでも、相手の影響言語は判別できる

◆ 油田堀の質問にも相手の影響言語を含めれば、効果が高まる

◆ 影響言語やオウム返しを使って語りかければ、相手の心も落ち着く

◆ その人の影響言語に合わせて声をかければ面倒な依頼もスムーズに引き受けてくれやすい

◆ 接客中も相手の言葉の端々から影響言語を見極めれば、響きやすいセールストークを臨機応変に選べる

 

◆ 適度に雑音のあるリラックスした場所は、本音が出やすい

◆ 声のトーンやテンポは、なるべく相手のそれに近付けて

◆ 相手の感情に寄り添った、相づちのバリエーションを増やして

◆ 相手との感情のシンクロを表せる、表情や姿勢は有効

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「油田堀は、今後の時代に特にフィットするメソッドだと確信しています。」「Web会議は、相手の言葉と向き合うのに適している」と述べています。

 

 

また、より良好なコミュニケーションを取ることに関心の深い人は、牛窪万里子さんの最近の著書『なぜか好かれる人の言葉と表現の選び方』(明日香出版社)を併せて読むことをお薦めします。

 

 

あなたも本書を読んで、難しい相手も本音を話し始める2つの法則ー「油田堀メソッド」および「LABプロファイル」ーを学び、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2743日目】