「ゲノム編集で難病が治せるとなると、人間の寿命はどんどん延びていくのではないでしょうか。今は人生百年時代とも言われていますが、それが百十年、百二十年と延びていく可能性もありますか。」と問いかけて、生命科学の最前線をレポートしている本があります。
本日紹介するのは、1934年滋賀県生まれ、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経てフリーとなり、『朝まで生テレビ』(テレビ朝日系)の司会を務めるジャーナリストの田原総一朗さんが書いた、こちらの書籍です。
田原総一朗『ヒトは120歳まで生きられるのか 生命科学の最前線』(文春新書)
この本は、約40年前の1980年代から「遺伝子産業革命」とも言える生命科学の進歩を取材していた著者が、遺伝子組み換え技術をはるかに超えるインパクトとなる「ゲノム編集」および iPS細胞による再生医療などの技術革新について、レポートした書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.はじめに
2.ゲノム編集によって世界が変わった
3. iPS細胞の開発がもたらしたもの
4. iPS細胞による「心不全」治療
5.がん治療はここまで進歩する
6.遺伝子の改変はどこまで許されるのか
7.人はどのようにして百二十歳社会を生きるのか
8.あとがき
この本の冒頭で著者は、ゲノム編集やその実用化、 iPS細胞による再生医療などの最先端の生命科学の国内研究において、第一人者である以下の学者にインタビュー取材を行って、研究の最前線を明らかにしています。
◆ 山本卓(広島大学教授、日本ゲノム編集学会会長)
◆ 濡木理(東京大学大学院理学系研究科教授)
◆ 山中伸弥(京都大学 iPS細胞研究所所長)
◆ 高橋淳(京都大学 iPS細胞研究所教授)
◆ 福田恵一(慶應義塾大学医学部循環器内科教授)
◆ 澤芳樹(大阪大学医学部心臓血管外科教授)
◆ 宮野悟(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長)
◆ 大津敦(国立がん研究センター東病院院長)
それぞれ、ゲノム編集やその実用化(臨床での活用)、 iPS細胞による再生医療、がん治療への応用など、世界が注目する研究が日本でも繰り広げられていることが紹介されています。
そうした中で、 iPS細胞からは新しい臓器を作り出すことも可能になるなど、生命倫理の問題や再生医療のルールに関する議論も湧きおこっています。
東京大学医科学研究所公共政策研究分野に属する武藤香織教授によれば、日本ではゲノム編集に関するルールや法整備が遅れている、ということです。
この本の最後で著者は、「人はどのようにして百二十歳社会を生きるのか」を論じています。
ポイントは以下ような視点です。
◆ 日本型経済モデルの破綻
◆ 年金制度の持続可能性と定年制の問題
◆ 人工知能で多くの人の仕事がなくなる
◆ 人間が働かなくていい時代-ベーシックインカム
◆ モチベーションが重要-ワーク・アズ・ライフ(=好きなことを仕事に)
とくに「学び続けること」「社会とつながりを持ち続けること」の例として、コント55号の萩本欽一さんが駒澤大学仏教学部の学生になって学び直したことを紹介しています。
どんどん忘れていくマイナスがあるなら、その分ぷらすをしていけばいい、という欽ちゃんの考え方はシンプルでいさぎよい。
要は、学び直すことで好きなことを見つけ、モチベーションを維持、高めていくのです。
あなたも本書を読んで、人生百二十年の生き方を考え直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!