書評ブログ

『働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書』

「意思あるキャリア選択と躊躇なき行動により、働けるうちはいつまでも働ける人生を実現すること」をテーマにしている本があります。

 

 

本日紹介するのは、中高年専門ライフデザインアドバイザー行政書士木村勝さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

木村勝『働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書』(朝日新聞出版)

 

 

この本は、ワークライフバランス、長時間残業の禁止、プレミアムフライデーなど、毎日のようにビジネスパーソンの働き方に関するニュースが新聞、テレビを賑わす中、次のような疑問を持ちながら働くミドル・シニア層に向けて、「自らキャリアを選び取り、したたかに実行していく」ために必要かつ実践的な武器を提供している書です。

 

 

◆ このまま何の疑問も持たずに会社の敷いたレールの上を歩んでいいのだろうか?

 

◆ 年を取って会社との縁が切れたら自分は何をして稼いでいくのか?

 

◆ 親の介護をしながら、今のキャリアを継続できるのか?

 

 

◆ 役職定年で年収はいくらになり、定年再雇用では年収はどこまで下がるのか?

 

◆ これからも毎日朝晩、満員電車に乗り続ける人生で本当に公開はないか?

 

◆ 年長者にも容赦ない年下の上司と果たしてうまくやっていけるのか?

 

 

ここで言う「必要かつ実践的な武器」とは、人事知識やキャリアチェンジのノウハウだ、と著者は述べています。

 

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

 

1.人生90年時代、どうキャリアを考えるのか

 

2.人事のプロがリアルに教える4つのキャリア選択肢

 

3.定年前に知っておきたいキャリアチェンジの基礎知識

 

4.人生90年時代の実践的キャリアチェンジ術

 

 

この本の冒頭で著者は、経営危機に陥ったシャープを買収した台湾ホンハイ・郭会長の、「シャープを分解することはないし、ブランドも無くさない。」と述べた後の、次の言葉を紹介しています。

 

 

「40歳以下の若い社員の雇用は守る。」

 

 

つまり、40歳を超えたミドル・シニア社員はリストラ対象だ、ということです。これは国際競争に晒される企業の本音を象徴するような言葉です。

 

 

改正高年齢者雇用安定法により、企業は65歳までの雇用を守る方向に向かっていますが、決して「65歳まで安泰だ」と考えてはいけない、と著者は言います。

 

 

実は、8割以上の企業が「定年延長」ではなく、「定年再雇用制度」で対応しています。定年再雇用の本質は、「5年期間限定の非正規社員」で、しかも契約は「1年毎の更新」です。

 

 

正社員には適用される「病気休職規定」はもちろん適用されません。パート、アルバイトと同じ「非正規雇用」なのです。

 

 

こうした、定年再雇用の実態(本質)を、企業側(人事部)からは、敢えて積極的には説明しません。社員のモチベーションが落ちると困るからです。

 

 

定年退職者は、定年再雇用制度の概要説明を受けた時に初めて、会社による、あまりに「冷たい処遇」と受けとめ、ショックを受けるケースが大半です。

 

 

年収は半分以下、酷い会社(現役時代の待遇が良すぎた人)の場合は、3分の1以下の場合もあります。

 

 

しかも、仕事の内容は、部下がいなくなった以外は今までと同じ、というケースも多く、「あまりに酷い」と会社を訴え、裁判を起こした定年退職者は敗訴しています。

 

 

 

さて本書の中盤では、今後のシニアに想定されるキャリアとして次の「4つのシナリオ」が選択肢としてある、と説明しています。

 

 

1.今の会社に勤め続ける

 

2.転職する

 

3.出向する

 

4.独立起業する

 

 

それぞれのシナリオを選択した場合に、①収入面、②やりがい、③リスク、④安定性、⑤いつまで働けるか、⑥専門性向上という視点から、ニュートラルなスタンスで解説しています。

 

 

また、この本の後半では、キャリアチェンジの基礎知識と、人生90年時代の実践的なキャリアチェンジ術が紹介されています。

 

 

詳細についてはここでは触れませんので、興味ある方はぜひ、本書を手に取ってお読みください。

 

 

 

とくに私が共感し、自ら実践もしていることについてのみ、以下に紹介しておきます。

 

 

◆ 出世の呪縛が解ける55歳で将来キャリアを計画する(「出世」から「自立」へ切り替える)

 

◆ 55歳から60歳の5年間でその計画を進める

 

◆ 60歳定年時に準備状況を踏まえて自分で納得できるシナリオを選択する

 

◆ 自分で納得してキャリアを選択したかどうかが成否を分ける

 

◆ 最終ゴールは「定年のないエイジレスな働き方」が実現できる「独立起業」

 

 

◆ 第三の場所(サードプレイス)を持って社会の風を感じよう

 

◆ インディペンデント・コントラクターが最適な働き方

 

◆ 自分のキャリアを棚卸しして、ライフラインを描いてみる

 

◆ 55歳でマインドセットして、①専門性、②人脈、③対面力を磨き続ければチャンスが来る

 

 

 

本書の最後に、私も座右の書としている、クランボルツ『その幸運は偶然ではないんです!』(ダイヤモンド社)で記されている「重要な行動指針」が次の通り紹介されています。

 

 

1.想定外の出来事を最大限に活用する

 

2.選択肢はいつでもオープンに!

 

3.目を覚ませ!夢が現実になる前に

 

4.結果が見えなくてもやってみる

 

 

5.どんどん間違えよう

 

6.行動を起こして自分の運をつくりだす

 

7.まずは仕事に就いてそれからスキルを学ぶ

 

8.内なる壁を克服する

 

 

あなたも本書を読んで、超高齢社会のモデルとなる「定年のないエイジレスな働き方」をめざしてみませんか。

 

 

 

私、大杉潤は、「まちの本屋」再生プロジェクトとして、クラウドファンディングにより、読書交流会トークショー・イベントを開催しています。

 

 

ぜひ、一緒に「まちの本屋」を応援しませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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