書評ブログ

『藤原先生、これからの働き方について教えてください。』

「100万人に1人の存在になる21世紀の働き方」を提唱して、「10年後、今と同じ働き方では生き残れない」と警鐘を鳴らす書があります。

 

 

本日紹介するのは、リクルート出身で、初の公立中学校の民間出身校長を務めた、教育改革実践家藤原和博さんが書いた、こちらの新刊書です。

 

 

藤原和博『藤原先生、これからの働き方について教えてください。』(ディスカヴァー21)

 

 

この本は、「時代が変わっているのに、あなたの仕事の仕方が変わっていない」ことに対して、「21世紀の働き方」を提示している書です。

 

 

「そしてそれは、仕事だけではありません。あなたが生きる人生そのものも、です。」と著者の藤原さんは訴えます。

 

 

まず本書の冒頭で著者は、21世紀に働く人に必要な、「たった2つの基礎知識」を挙げています。

 

 

1.「自分の仕事の付加価値」を計算する

 

2.「信任(クレジット)の三角形」をつくる

 

 

上記1の「仕事の付加価値」とは、ずばりあなたの「時給」です。「年収」は誰でも把握していますが、「自分の仕事の時給」をきちんと計算して把握している人は多くありません。

 

 

本書によれば、ニッポン人の「時給」(=年収÷年間総労働時間)には以下のように100倍の差がある、ということです。

 

 

◆ ハンバーガー店・コンビニでのバイト  800円

 

◆ コンピュータ系などの非常勤      2000円

 

◆ サラリーマン・公務員・教員など     3000円~5000円

 

◆ 専門家・熟練大工・庭師など       1万円

 

◆ 弁護士・医師              3万円

 

◆ シニアレベルのコンサルタント     8万円

 

 

上記はあくまでも標準的な「時給」であって、サラリーマンでも役職によって大きな違いがあるし、弁護士も仕事が無くて食べていけない人もいればコンサルタントよりはるかに高い人もいます。

 

 

また医師も、勤務医開業医では大きな開きがあり、開業医の場合は患者数で「時給」は大きく変動します。

 

 

さらに、上記のテーブルを超えた存在として、起業家スタープレーヤー(スポーツ・音楽・TV・映画など)がいます。

 

 

こうした100倍を超えた「時給の格差」は何によって生まれるのでしょうか。著者は、それは仕事の貴賤「たいへんさ」「熟練の度合い」ではない、と言います。

 

 

コンビニのバイトは「たいへん」ですし、熟練したバイトもいますが、「時給」が大きく上がることはありません。100倍を超える「時給の差」が生まれるのは「希少性」だ、と著者は言います。

 

 

コンビニのバイトは「マニュアルに沿った作業」なので、誰でも(外国人でも)できるし、代わりはいくらでもいる、という仕事です。それに対して、国家資格が必須の仕事(弁護士や医師)企業の命運を握るコンサルタントによる経営アドバイスといった仕事は、誰にでもできるものではありません。

 

 

つまり、世の中の需要に対して「供給」が限られている仕事には「希少性」があって、高い値段(=時給)がつく、ということです。

 

 

繰り返しになりますが、こうした格差は「仕事の貴賤」や「仕事のたいへんさ」とは無関係で、著者の言葉で言えば、「レアさ」がポイントということです。

 

 

したがって著者の藤原さんのアドバイスは、ポケモンの「レアカード」を集めるがごとく、自分の「希少性」を高めて、世の中で「レアな存在」になる、ということです。

 

 

 

次に上記の2番目にある「信任(クレジット)の三角形」をつくる、という話になります。これが「希少性」を高める方法で、著者のケースを例として説明しています。

 

 

藤原さんは、20代で「営業とプレゼン」という「軸となる技術1」を1万時間かけて身につけ100人に1人の存在になりました。

 

 

続いて30代では「リクルート流マネジメント」という「軸となる技術2」を1万時間かけて習得して100人に1人となり、この時点で100分の1×100分の1=1万分の1、つまり1万人に1人の存在となって独立しています。

 

 

これら2つの「軸となる技術」を左足と右足とする「三角形の底辺」としています。これは生きていくためにはどうしても必要となる「ライフライン」と著者は呼んでいますが、これだけでは途上国から入ってくる外国人や人工知能の進化によりロボットに仕事を奪われてしまう、ということです。

 

 

軸となる技術の習得には1万時間が必要ですが、逆に1万時間をかけてひとつのことに集中して極めれば何でも習得できる、ということです。これはビジネス界では定評のある理論で、詳しくはこちらの書をお読みください。

 

 

 

 

さらに、もう1万時間(40~50代)かけて、できるだけ遠くへ踏み出し、三角形の頂点を築いて「大三角形」を形づくるのが「希少性」の確保になります。

 

 

この三角形の頂点への挑戦が、「義務教育初の民間校長」という教育分野でのキャリアということで、3つのキャリアを掛け算した時に、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1、つまり100万人に1人の「希少性」を持ったことになります。

 

 

キャリアを3つ掛け合わせて希少性を獲得するこの方法を、人生の基盤となる「信任(クレジット)」を形づくるための「三角形モデル」と本書では呼んでいます。

 

 

100万人に1人という希少性は、著者によれば「同世代で1人」というレベルだということです。プロのスポーツ選手、アスリート、音楽家などの芸術家では、たった1つの技術やキャリアで勝負するわけですが、そこで100万人に1人という頂点を極めるには厳しい競争を勝ち抜く才能や努力が必要でしょう。

 

 

それに対して、普通の人が3つのキャリアを掛け合わせて希少性を獲得する方がはるかに易しい、と著者は言います。これが「21世紀の働き方」だということです。

 

 

 

本書の結論は以上ですが、次の4部構成にて計25の講義から成っています。

 

 

1.「情報編集力」の時代に脳みそをアップデートする

 

2.納得解を紡ぎ出す情報編集力の鍛え方

 

3.「納得解」を共有するための伝える技術

 

4.「経営者意識」で飛躍する

 

 

本書で著者が繰り返し使うキーワードは、「情報編集力」「納得解」「共有」「経営者意識」です。

 

 

時代が、20世紀の「成長社会」から、21世紀の「成熟社会」に変化したことが、社会や産業界が求める私たちの能力を大きく変えています。

 

 

ひと言で言えば、正解が1つの世界から、正解がない世界へ、という変化です。つまり「みんな一緒」という社会から、「それぞれ一人一人」という社会へ変化しています。

 

 

20世紀に求められた「情報処理力」で「正解」を見つけ出す力ではなく、21世紀は「情報編集力」で「納得解」を探し出す力が求められています。正解主義ではなく修正主義だということです。

 

 

さらに次のステップとして、組織を統率し運営していくために、伝えるための「共有」「経営者意識」が大切になりますが、詳しくはぜひ、本書の後半をお読みください。

 

 

あなたも本書を読んで、藤原流「21世紀の働き方」を身につけ、100万人に1人という希少性をもった存在になりませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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