「フリーランスという働き方には、自由な時間帯にマイペースで働くことができるほか、定年がない、わずらわしい会社の人間関係から解放される、収入アップの大きな可能性があるといったメリットも多いのですが、一方でデメリットもあります。」「デメリットの最大のものは、『お金についての不安』でしょう。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、中央大学法学部法律学科卒、尾立村形会計事務所(東京都)で会計人として修業を重ね、関根圭一社会保険労務士・行政書士事務所(茨城県)にて、主に労使紛争解決等の人事業務に携わり、共同で税理士法人ゼニックス・コンサルティングを設立し、現在は企業に内在する税務・人事・社内コンプライアンス等、経営全般の諸問題を横断的に解決する専門家として活躍している税理士の関根俊輔さんが書いた、こちらの書籍です。
関根俊輔『フリーランスのお金がぜんぶわかる本』(新星出版社)
この本は、定額で入ってくる収入がない中で、どうやってそのお金をつくり、貯めるのかというフリーランスのお金の心配や不安、あらゆる内容に応える書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.いまのお金と将来のお金を考えよう
2.「節税」で手元に残るお金を増やそう
3.もれなく「控除」してさらに節税しよう
4.フリーランスの健康保険・年金・民間保険
5.将来に備えて退職金・年金をつくろう
この本の冒頭で著者は、定額収入がないフリーランスが「いまの生活を変えずに、資金をどうつくり、つくった資金をどう貯めて、備えに回し、さらに増やしていくか」という知恵と知識にポイントを絞ってまとめ、お金の心配や不安の解消に役立つことを約束します、と述べています。
本書の前半では、「いまのお金と将来のお金を考えよう」について、著者の考え方を説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ライフプランを描いて、一生涯に必要なお金を知る
◆ 家計年間収支と資産・負債(バランスシート)を把握する
◆ 人生の三大資金(住宅・教育・老後)を同準備するかを考える
◆ フリーランスの年収は、400万円未満が全体の7割、400~600万円が2割
この本の中盤では、「節税で手元に残るお金を増やそう」および「もれなく控除してさらに節税しよう」をテーマに、以下のポイントを解説しています。
◆ 税金を安くする「節税」は、①経費を増やす、②控除額を増やす
◆ 節税によって「余裕資金」を残し、運用に回してお金を増やす
◆ 増えた経費の4割が節税できる
◆ 青色申告なら「少額減価償却資産の特例」で30万円未満を経費にできる
◆「家事按分」で、家賃・水道光熱費・通信費の一部を経費にする
◆ 飲食代は会議費として経費に
◆ ボツになった企画にかかったお金も「試験研究費」という経費にできる
◆ 仕事とのつながりがはっきりしているレッスン代は「教育研修費」という経費に
◆「ストーリー」が見える支出なら経費にできる
◆ インボイスとは「適格請求書等」のことで、2023年10月1日にスタート
◆ インボイス制度への移行には「経過措置」があり、2026年9月30日までは80%
◆ 2024年からは、電子帳簿保存法への対応も必要
◆ 使える控除はすべて使って賢く節税する
◆ 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除
◆ 医療費控除、セルフメディケーション税制の所得控除
◆ 最高65万円の「青色申告特別控除」
本書の後半では、「フリーランスの健康保険・年金・民間保険」および「将来に備えて退職金・年金をつくろう」について考察しています。主なポイントは次の通り。
◆ 国民健康保険料には基礎控除以外の所得控除がない
◆ 出産一時金や葬祭費も国保から出る
◆ 高い医療費は「高額療養費」で払い戻しを受ける
◆「付加保険料」や「国民年金基金」で国民年金の上乗せができる
◆ 民間の「死亡保険」「医療保険」「がん保険」「賠償責任保険」
◆ 掛金が全額経費になる「経営セーフティ共済」で節税しながら貯蓄
◆ フリーランスの労災保険は「特別加入制度」を利用
◆ 国民年金保険料を安くする早割や前納
◆「小規模企業共済」はフリーランスの退職金、掛金の全額が所得控除に
◆ 中小企業退職金共済や民間の生命保険の活用
◆ 付加年金や国民年金基金で年金を増やす
◆ 民間の個人年金保険の活用も
◆ 余裕資金にて運用・投資を
◆ i DeCo は節税効果が高い
◆ 長期・分散・積立投資で老後資金を増やす
◆ つみたてNISAで最大800万円の累積投資非課税枠
この本の巻末には、キーワードが「索引」の形で整理されています。
あなたも本書を読んで、「フリーランスのお金のすべて」を学び、不安を解消してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2837日目】