「フィンテック革命の幕は、もう開いている。これから、ますます新しい金融サービスが生まれてくるはずだ。その流れや機会を逃さないためにも、ここでフィンテックの基礎を押さえていただきたい。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、NTTデータ経営研究所マネジャーの加藤洋輝さんとNTTデータ経営研究所コンサルタントの桜井駿さんが書いた、こちらの書籍です。
加藤洋輝・桜井駿『決定版 フィンテック金融革命の全貌』(東洋経済新報社)
この本は、金融の世界を変えつつあるフィンテック(=FinTech)について解説する入門書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.15分でわかるフィンテック
2.フィンテックが切り拓く新しい金融サービス
3.ビットコインとブロックチェーン
4.フィンテックを可能にするテクノロジー
5.業態別、金融機関に与えるフィンテックのインパクト
6.フィンテックが消費者に与えるインパクト
この本の冒頭で著者は、「そもそもフィンテックとは何か?」と問いかけ、その定義を記しています。
フィンテック(FinTech)という言葉は、金融(Finance=ファイナンス)と技術(Technology=テクノロジー)という言葉を掛け合わせた造語です。
そもそもこの言葉自体は1950年代から勘定処理のIT化が進み、以降、様々な分野がITシステムによって効率化されたことで金融機関は幅広いサービスを展開できるようになった歴史の中で使われ始めています。
そして「フィンテック」という言葉は、アメリカの金融業界誌『アメリカン・バンカー』が「ベストフィンテック100」と銘打ったランキングを発表するなど、大手ITベンダーなど金融システムを構築する企業全般を指す言葉として使われてきました。
ところが最近、日本で急速に注目を集めている「フィンテック」は、以前の「フィンテック」とは意味合いが異なり、主役がスタートアップ企業(人々や社会の問題を解決するために組織された企業)に移っています。
本書では、「フィンテック」を「金融とITの融合によって生まれた、新しい金融サービス」と定義し、そうしたサービスを提供する企業を「フィンテック企業」と呼んでいます。
次にこの本では、フィンテックが切り拓く新しい金融サービスとして、次の7つの代表的なサービス分野と事例を挙げています。
1.融資: ソーシャルレンディング、クラウドファンディング
2.決済: モバイル決済、オンライン決済
3.送金: オンライン送金、P2P送金
4.投資: ロボアドバイザー、オンライン証券
5.情報管理: PFM(家計簿サービス)、顧客管理、金融メディア
6.業務支援: 会計・労務サービス、データ分析、セキュリティ
7.仮想通貨: 仮想通貨決済受付サービス、仮想通貨取引所
上記の金融サービスの中で、上の4つの分野は規制分野で、下の3つが規制外分野になります。
とくにインパクトが大きいのが、最後に挙げた「仮想通貨」であり、ブロックチェーンと呼ばれる分散型管理による技術にとくに注目が集まっています。
ブロックチェーン技術の特性として、以下の3点があります。
◆ システムダウンに強い
◆ 改ざんに強い
◆ コストが安い
続いて本書では、フィンテックを支える要素技術として、次の5つのテクノロジーを解説しています。
1.モバイル
2.ビッグデータ
3.人工知能(AI)
4.API(Application Programming Interface)
5.デザイン(UI/UX)
これらのテクノロジーの詳細について興味のある方は、ぜひこの本を手に取ってお読みください。
最後に著者は、フィンテックが与えるインパクトを金融機関(業態別)・個人消費者に分けて整理して紹介しています。
あなたも本書を読んで、フィンテックを核にした金融革命の全貌を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!