書評ブログ

『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』

「正解がない時代において、『何を、どのように勉強すれば良いのか』という問いに答えることは容易ではありません。」と述べて、独学を深めるコツ(=考える技術)について解説している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1994年東京都生まれ、上智大学文学部史学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学比較文化分野)修士課程修了、現在、同大学院博士課程、および日本学術振興会特別研究員DC1「東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)リサーチ・アシスタント山野弘樹さんが書いた、こちらの書籍です。

 

山野弘樹『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』(講談社現代新書)

 

 

この本は、独学の方法を伝える独学本であると同時に、地頭を鍛えるための哲学書でもあるという、「一粒で二度おいしい著作」です。

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。

 

1.はじめにー応えなき時代に求められる「独学」の力

2.プロローグ「考える」とはどういうことか?

3.問いを立てる力ー思考の出発点を決める

4.分節する力ー情報の質を見極める

5.要約する力ー理解を深める

 

6.論証する力ー論理を繋げて思考を構築する

7.物語化する力ー相手に伝わる思考をする

8.「問い」によって他者に寄り添うー対話的思考のステップ1

9.「チャリタブル・リーディング」を実践するー対話的思考のステップ2

10.他者に合わせた「イメージ」を用いるー対話的思考のステップ3

 

 

この本の冒頭で著者は、この本を通じて皆さまにお伝えしたいのは、「探求のための独学」を効果的に深めるための「考える技術」です、と述べています。

 

 

本書の前半では、「応えなき時代に求められる独学の力」および「考えるとはどういうことか?」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 自ら思考する力が本質的に問われる時代

◆ 独学を深めるコツは「考える技術」

◆ 地頭を鍛える「哲学的思考」

◆ 思考力を鍛えれば生き方が変わる

 

◆ 読書は「他人の考えた過程」をたどること

◆ 考えることは、走ること

◆ 思索を展開することこそが、思考の本質

◆ 自分の足で走るための5つのスキル(➀問いを立てる、②分節する、③要約する、④論証する、⑤物語化する)

 

 

この本の中盤では、問いを立てる力ー思考の出発点を決める」「分節する力ー情報の質を見極める」「要約する力ー理解を深める」「論証する力ー論理を繋げて思考を構築する」および物語化する力ー相手に伝わる思考をする」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 思索の出発点を決める

◆ 判断の普遍性を探求する問い

◆ 具体性をめぐる問い

◆ 価値観をめぐる問い

 

◆ 分節する、要約する、論証するの3つの力はセット

◆ 分節は、単語を囲む、傍点を打つ、文章に線を引く

◆ 要約+推論+問いで、アーギュメントを

◆ 問いと答えの循環運動

 

◆ 抽象的な概念は擬人化して捉える

◆ 抽象的な文章を「映像化」する

◆ 物語の「掴み」と「オチ」を考える

◆ 物語の中間を彩る「山場」を考える

 

 

本書の後半では、「問いによって他者に寄り添うー対話的思考のステップ1」「チャリタブル・リーディングを実践するー対話的思考のステップ2」および他者に合わせたイメージを用いるー対話的思考のステップ3」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 第1ステップは、「問い」によって他者に寄り添う

◆ 第2ステップは、「チャリタブル・リーディング」を実践する

◆ 第3ステップは、他者に合わせた「イメージ」を用いる

◆ メタファーとは比喩(直喩、隠喩)

◆ アナロジーを共感の手段として用いる

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「探求のための独学は、より大きな視野から見て、『人生全体を生きる力』にもなる」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、地頭を鍛える「考える技術」を学び、独学の思考法を習得してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2780日目】