「50年近く選手として指導者として活躍してきたジャンボに関する書籍は意外と少なく、その理由は、ジャンボが長年にわたり現役を貫き、それ以外のこ事柄についてはあまり語りたがることがなかったからです。」と述べて、プロゴルファー・ジャンボ尾崎の最初で最後の本になると予測されている本があります。
本日紹介するのは、1961年生まれ、日本大学、早稲田大学院卒、1983年プロテスト合格、ジャンボ軍団入り、同期の東聡選手と互いに刺激しあって自らゴルフを伸ばし、1996年には3勝して師・尾崎将司に次ぐ賞金ランキング2位となり「マスターズ」にも出場、愛称は「ちゅうけん」、師匠はジャンボ尾崎こと尾崎将司である金子柱憲さんが書いた、こちらの書籍です。
金子柱憲『誰も書けなかった ジャンボ尾崎』(主婦の友社)
この本は、プロゴルファー・ジャンボ尾崎の人間性やゴルフに対する考え方、指導者としてのあり方について執筆し、アマチュアゴルファーや競技ゴルフを目指している方だけではなく、各スポーツ界で指導する立場の方々にも参考にしてもらうために書かれた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.ジャンボの教えは不変
2.実力を見せるジャンボチルドレンたち
3.ジャンボ尾崎は最強の指導者
4.最強のプロゴルファー・ジャンボ尾崎
5.ファミリー目線から見えるジャンボの素顔
6.ジャンボの名言集
この本の冒頭で著者は、「ジャンボが考えた『一遍一念』という言葉があります。私はこれを『人間、好きなことに、一度はひたすら深くのめり込め』という意味に解釈しています。」と述べています。
本書の前半では、「ジャンボの教えは不変」について、著者の見解を紹介・説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆ ジャンボの熱のこもったレッスンは不変
◆ 時代を先取りした「運動力学」に基づくトレーニング
◆ 「ハゴミントン」トレーニングの目的は、①勝ち負けにこだわる、②面の使い方を覚える、③瞬時の判断力を養う
◆ ショット力を上げなければパッティングまで思考が回らない
◆ ジャンボは、分け隔てなく付き合う、気遣いの人
この本の中盤では、「実力を見せるジャンボチルドレンたち」および「ジャンボ尾崎は最強の指導者」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆「結果第一主義」で笹生優花、西郷真央を指導
◆ 原英莉花へはシンプルな指導
◆「心技体」ではなく「体技心」
◆ 良い球が出るのが良いスイング
◆ ゴルフに必要な「知性」「理性」「感性」
◆ 来るものは拒まず、去る者は追わず、再び来るものは、また受け入れる」
◆ 基本的なスタンスは、向上心(練習量)、探求心(集中力)、闘争心(競争)
◆ ジュニアへの指導は「スイング力学」を覚え込ませる
◆ スイング全体の流れが大切
◆ ゴルファーはほめて育てる
本書の後半では、「最強のプロゴルファー・ジャンボ尾崎」「ファミリー目線から見えるジャンボの素顔」および「ジャンボの名言集」について、以下のポイントを解説しています。
◆ スイング理論の原点は「レートヒット」と「躍動感のあるスイング」
◆ ティーショトの重要性
◆ 三大好物は、うなぎ、フカヒレ、北京ダック
◆「弱い人間だから、頼れるものは神様でも何でも頼る」
◆ 勝負にこだわらなければ、競技者ではない
この本の巻末には、著者の金子柱憲さんとジャンボ尾崎との対談が掲載されています。ジャンボの本音が引き出されて興味深い発言が随所に見られます。
本書の締めくくりとして著者は、ジャンボ尾崎に関して「改めて思うことは、その輝かしい戦歴に引き付けられたのではなく、勝負師として妥協を許さない姿勢に引き付けられたんだということです。」と述べています。
あなたもこの本を読んで、ジャンボ尾崎のプロとしての姿勢、指導にかける熱意や人間性、そして「一遍一念」に込めた意味を学び、自らの仕事や人生に活かしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2836日目】