「リストラの波が自分にも押し寄せてくることは、すべてのサラリーマンが覚悟しなければならない」と説く本があります。
本日紹介したいのは、日本経済新聞社を経て独立起業し、人気講師として活躍してきた田中真澄さんのこちらの文庫本です。
田中真澄『大リストラ時代・サラリーマン卒業宣言』(PHP文庫)
この本は、これまでの群れ(=「所属価値」)志向の社会から、個(=「存在価値」)志向の社会へと変化することを背景に、サラリーマン・OLの人たちの間で起きている大きな心的変化に焦点を当てています。
具体的には、「一生サラリーマンのままで終わりたくない」と思う心的変化のことです。定年後に何らかの形で独立したいと考えている人がどんどん増えています。
そこで本書で著者は、起業・自営業・SOHO・マイクロビジネス・インディペンデントコントラクター・フリーランスなどの脱サラ・独立人生を歩む人の総称を「個業家」と称して、そうした道を薦めています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.脱サラ・個業家を目指す人たちに必須の基本的な成功の考え方とは何か
2.凡人が中年から再スタートしても成功できる原理原則を知ろう
3.定年後、自宅を事務所に個業を立ち上げ、新分野を開拓した人々に学ぶ
4.個業からスタートし、「感動のビジネス」を展開、成功している事業主に学ぶ
5.事業は長く繁栄してこそ本物、個業繁栄のモデルは永続してきた老舗にあり
6.幸せな人生とは、どんな生き方をすれば手にできるのか
著者の田中さんは、42歳で日本経済新聞グループから独立起業して、社会講演家として活動し、最初の著書から「人生100年時代」の到来を予測して、定年後も働く人生を提言してきました。
当初はバブル経済の日本社会では殆ど耳を傾けてもらえなかったそうですが、バブル崩壊後の不況やリストラの中で徐々に反響が出て、少子高齢化が予測以上のスピードで進む現在は大きな注目を集めています。
サラリーマンやOLといった人たちの人生観に大きな変化をもたらした要因は整理すると以下の3点です。
◆ 正社員が担当してきた仕事を派遣社員や外部委託するなどアウトソーシング化が進展
◆ IT革命によりトップと現場の情報伝達がダイレクトになり組織がピラミッド型からオーケストラ型に変化
◆ 企業の勝ち残り競争でリストラを進め有能なプロ即戦力を中途採用する人事政策に変化
田中さんの主張は一貫して、定年後は本来やりたかった専門の仕事に就いて、人生の後半も働き続ける「一身にして二生を生きる」という伊能忠敬のような人生を目指すことです。
著者のキャッチフレーズは、「終身現役」であり、「人生の勝負は後半にあり」ということでブレることがありません。私はこの主張に以前から、強く共感しています。
私の言葉で言い換えると、「生涯現役」の人生であり、そのための「定年前起業」という生き方になります。
あなたも本書を参考にして、新しい時代に対応した人生設計、生き方を模索してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を