「ICTは、実際にはすでに環境なのであり、人類学的な、そして社会的な、世界を解釈する力となっている」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、オックスフォード大学セント・クロス・カレッジのフェローで哲学及び情報倫理学が専門のルチアーノ・フロリディさんが書いた、こちらの書籍です。
ルチアーノ・フロリディ『第四の革命-情報圏(インフォスフィア)が現実をつくりかえる』(新曜社)
この本は、1980年にアメリカの未来学者・アルビン・トフラーが書いた『第三の波』(日本放送出版協会)の次の時代を描いた哲学書です。
トフラーは、第一の波である農業革命、第二の波である産業革命、そして第三の波として情報革命による「脱産業社会」を予測しました。
そしてその通り、情報革命の中にあって、ICT(情報通信技術)によって引き起こされた大きな文化的革命の始まりを私たちは今、目撃している、というのが著者のルチアーノ・フロリディさんの考えです。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.時間-ハイパーヒストリー
2.スペース-インフォスフィア
3.アイデンティティ-オンライフ
4.自己理解-四つの革命
5.プライバシー-情報摩擦
6.知性-世界に書き込む
7.エージェンシー-世界を襲う
8.政治-マルチエージェントシステム
9.環境-デジタルの先の一手
10.倫理-e-環境主義
またこの本で言う「第四」は、コンピューターが現在、第四世代へと集積回路の集積度が爆発的に増していったのと無関係ではありません。
そして21世紀に入って、「情報爆発」というトレンドが起きていて、改めて私たちが情報環境の中で相互に結ばれ、それを共有する「情報的な生物」であることが顕在化しています。
こうした量質的な変化は、その真っ只中にいると理解することは難しいものの、この「第四の革命」に担い手は、誰か特定の人ではなくて、すべからく全ての人々だ、ということです。
本書は、ギリシャ哲学から、テレビのコメディやソープオペラ、紛争から出会い系まで、多方面に博識な著者が、次々に論を展開していて、すべてを理解するのは難しい書です。
著者のフロディが言う「第四の革命」とは、目に見えるような、わかりやすい変化ではなく、こうした量質転化的な側面が非常に強いものだ、と本書の訳者は解説しています。
あなたも本書を読んで、情報環境の中にいる私たちにとって「第四の革命」がどんなものかを学んでみませんか。
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