団塊ジュニア世代とポスト団塊ジュニア世代は、本当に “かわいそうな世代” なのだろうか。むしろ、これからの日本を支える主役なのではないか」―。そんな問題提起から始まる、人口構造の変化と世代論を読み解く注目の一冊です。

本日紹介するのは、芝浦工業大学デザイン工学部UXコース教授であり、マーケティングアナリストとして「マイルドヤンキー」「伊達マスク」「タイパ」などの名づけ親として知られる、原田曜平さんが書いたこちらの書籍です。

原田曜平『中年中心社会 団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア』(集英社新書)

 

この本は、2026年現在、日本で最大の人口ボリュームを占める団塊ジュニア世代ポスト団塊ジュニア世代に焦点を当て、就職氷河期や失われた30年を生き抜いてきたミドル世代の実態と可能性を、多面的なデータから分析した一冊です。

本書は以下の6部構成から成っています。

1.「かわいそうな若者たち」の誕生

2.「かわいそうな若者たち」、7種類の現在地

3.「お金の問題」世代

4.出会い・家族の新しいあり方

5.メディアの接触状況で見る「狭間の世代」

6.若者と上の世代の架け橋になれるのが「ミドル層」

 

本書の前半では、団塊ジュニア世代とポスト団塊ジュニア世代が置かれてきた歴史的背景と現状が分析されます。主なポイントは以下の通りです。

◆ バブル崩壊後の就職氷河期が世代全体に大きな影響を与えた

◆ 「かわいそうな世代」として社会問題化されてきた

◆ 同じ世代の中でも多様な生き方や格差が存在する

◆ 人口ボリュームが大きいため社会への影響力も大きい

◆ 若者文化と上の世代文化の両方を理解できる特徴を持つ

 

この本の中盤では、お金や家族、結婚など人生設計に関わるテーマが掘り下げられます。主なポイントは次の通り。

◆ 長期にわたる所得停滞が世代の行動に影響している

◆ 結婚や出産に対する価値観が大きく変化した

◆ 単身世帯や未婚者の増加が進んでいる

◆ 家族の形は多様化し続けている

◆ 経済的不安がライフプラン形成を難しくしている

 

本書の後半では、ミドル世代が日本社会の中心となる未来像が語られます。主なポイントは以下の通りです。

◆ ミドル世代は若者と高齢者をつなぐ架け橋になれる

◆ メディア利用の特徴は世代間の中間的な位置にある

◆ 人口構成の変化に合わせて社会制度を見直す必要がある

◆ 中年世代の経験や知識は大きな社会資源である

◆ 「中年中心社会」という新しい視点が日本再生の鍵になる

 

本書を読んで強く感じたのは、日本社会が依然として「若者中心」あるいは「高齢者中心」の視点で語られがちな一方で、実際にはミドル世代が人口的にも社会的にも大きな存在感を持っているという事実です。

とくに、団塊ジュニア世代ポスト団塊ジュニア世代は、バブル崩壊、就職氷河期、デジタル化、少子高齢化など、日本社会の大きな転換点をすべて経験してきました。その経験値こそが、これからの社会にとって重要な資産になるのではないでしょうか。

私自身、定年後のキャリアや人生後半戦の生き方を研究・発信する中で、本書が提起する「中年中心社会」という考え方には大いに共感しました。人生100年時代において、ミドル世代の活躍なくして日本の未来は語れないことを改めて認識させられる一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【4121日目】