「これからも必要とされる働き方ができるかどうかは、今からどのようなアクションを取るかによって大きく変化します。将来の選択肢を増やし、長く働き続けるためには、リスキリングが大きなカギを握ります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行、2002年にグローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業、2011年、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人設立に尽力、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーのグローバル部門役員を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当、2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立、同社団法人代表理事および米国SkyHive Technologies 日本代表の後藤宗明さんが書いた、こちらの書籍です。
後藤宗明『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手に入れる』(朝日新書)
この本は、これからも必要とされる働き方ができることを目的に、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就く」というリスキリングについて考察・解説している書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.定年4.0時代のリスキリング
2.リスキリングで労働寿命を長くする
3.リスキリングを開始・継続するために
この本の冒頭で著者は、「この本を読み終わったとき、皆さんに『よし、自分もリスキリングに取り組んでみよう』と思っていただけたなら、これ以上の喜びはありません。」と述べています。
本書の前半では、「定年4.0時代のリスキリング」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ 定年4.0:リスキリングで現在の雇用に頼らない人生とキャリアを自ら創造する
◆ 正社員からフリーランスへ
◆ 労働寿命と雇用寿命を延ばす
◆ 定年後にホワイトカラーの仕事:①リスキリング、②デジタル分野の人材不足
◆ デスクレステクノロジーの進化に注目
◆ 人的資本投資のリターンを意識する
◆ 早期・希望退職、役職定年、定年・再雇用を乗り越えるリスキリング
◆ 学ぶ力と行動力という2つの普遍的なスキル
この本の中盤では、「リスキリングで労働寿命を長くする」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 雇用寿命を延ばす「エンプロイアビリティ」
◆ エンプロイアビリティ:コミュニケーション能力、チームワーク力、信頼感、問題解決能力、情報整理力&計画性、主体性、自己管理能力、リーダーシップ、学習能力、ITスキル
◆ 必要な3つのセット:①マインドセット、②スキルセット、③ツールセット
◆ 類似スキルを活かす、ゲートウェイ・ジョブを起点に志すAI分野へ
◆ 選択肢が広がる分野:①グローバル、②デジタル、③グリーン、④宇宙
◆ 学際的スキルを鍛え、複雑な問題を解決、「総合知」の必要性
◆ 副業を生かす「二刀流キャリア」
◆ フリーランスで新たな人生を切り開く
◆ 報酬をもらえる能力:①適切な人脈、②実績と貢献、③差別化された価値、④できることを最大化、⑤フルタイム⇔パートタイムを柔軟に繰り返す
本書の後半では、「リスキリングを開始・継続するために」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ リスキリングは自分への投資
◆ 5つの投資:①スキルと学び、②健康、③お金、④人間関係、⑤5仕事
◆ 学際的スキルを意識的に取り入れ、IDスキル(固有のスキル)を形成
◆ リスキリングを始めるための環境準備=アンラーニング
◆ 健康:人生前半の疲れをリセット、記憶力と集中力を高める習慣、食生活・睡眠・運動
◆ お金:リスクを取りながら利益を出す発想、キャリアの分散投資
◆人間関係:分散投資、インフォーマル・ネットワーク、感謝と恩返し
◆ 仕事:副業・兼業、AIやロボットの活用、集中を妨げるものを排除
本書で提唱しているリスキリングの進め方や定年4.0という考え方は、拙著拙著『定年ひとり起業シリーズ』3部作およびムック本(以上、自由国民社)にて提唱している、好きなことを仕事にして、3つの専門性を組み合わせてオンリーワンとして生涯現役の働き方を目指す「定年ひとり起業5原則」と共通するコンセプトで強く共感しました。
この本の締めくくりとして著者は、「シンギュラリティ・ユニバーシティ」を創設したピーター・ディアマンディスの次の言葉を紹介しています。
「The best way to predict the future is to create it yourself.」
(未来を予測する最善の方法は、自分自身で未来を創造することだ。)
あなたも本書を読んで、リスキリングの重要性を理解して取り組み、今後の人生を切り開いて、幸せな定年後の時間を過ごしていきませんか?
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では、今日もハッピーな1日を!【3494日目】