93歳にして、直筆での原稿執筆を続ける文章の達人が、その極意をすべて明かし、「心をつかむ書き方」を伝授してくれる本があります。
本日紹介するのは、お茶の水大学名誉教授で、文学博士の外山滋比古さんが書いた、こちらの書籍です。
外山滋比古『知的文章術 誰も教えてくれない心をつかむ書き方』(だいわ文庫)
この本は、文章を書くときに、どういうことを心がけたらよいかを思いつくままに書き連ねたものです。
著者の外山さんは、「ことばの表現は心であって、技巧ではない。」と述べています。人の心を打つ文章を書くには書く人の心がこもっていなければならない、ということです。
つまり、文章に上達するのは、心を練る必要があるのです。かの有名な「文は人なり」という、ビュフホンの言葉は、新しい意味を帯びるようになる、と著者は言います。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.文章を書く心構え
2.読まれる文章のコツ
3.心をつかむ構成
4.今こそ手紙の力を
この本の冒頭で著者は、相手あっての文章という考えに立つと、文章は料理のようなものだということがわかってくる、と述べています。
つまり、文章が料理だとすると、ある程度、栄養があり、ハラもふくれないといけない。文章で言うと、しっかり内容があることだろう、と本書では述べています。
料理で最も大切なのは、おいしい、ということですが、文章では、おもしろい、ということで、それは「読まずにはいられない、放ってはおかれない」という気持ちを読む人に与えるもの、と著者は説明しています。
この後、この本では様々な「心をつかむ」文章術が紹介・説明されていますが、私がとくに感銘を受けて、実際に心がけるに至った教えを次に紹介しておきます。
◆ アメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンの言葉「5分間スピーチなら1日1晩の支度がないと引き受けられない」
◆ あまり時間が切迫しないうちに、考えていることを書いてみる
◆ 講釈をせずに素読だけを行う寺子屋式教授法
◆ 1人、2人の文章家の文章を集中的に読み込んで、その骨法を学ぶ
◆ 大工さんは生木では家を建てない、文章も同じで生木のような言葉ではなくよく枯れたことばを用いる
◆ ピグマリオン効果とは、願えばかなうこと、褒めたらよくできるようになる
◆ 少しくらい才能に乏しくても、人のしない努力をすれば、常人をはるかに越えるところまで上達する
◆ 足りないのは才能ではなく、精進と努力、自信である
◆ 文章に上達するのは、平凡なようだが、とにかく書いてみる
◆ 上手になりたいと願いながら、努力を続ければうまくなる、ピグマリオン効果は単なる空頼みではない
◆ さしせまったところで書くのがわかりやすい文章になる(新聞記者)
◆ テーマはひとつのセンテンスで表現できるものでなくてはならない
◆ フランスの文豪バルザック 「熟したテーマは向こうからやってくる」
◆ 推敲(唐の詩人「僧推月下門」)-「推す(おす)」か「敲く(たたく)」か
◆ 書き上げたら、しばらく風を入れてから読み返す
この本は、ベストセラー『思考の整理学』をはじめ、80年間書いてきた「知の巨人」であり、93歳の現在も現役で執筆活動を続ける外山滋比古さんが、その極意を惜しみなく明かしている書です。
あなたも本書を読んで、誰も教えてくれない「心をつかむ書き方」を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を