「もう欲しいものは特別ない」という人々が急激に増えています。欲しいものがない世界では、いろいろな価値観が揺らいできて、何を目標にすればいいのか、と問いかける本があります。
本日紹介したいのは、編集者、編集長を経験し、「編集スパルタ塾」を開講したり、多摩美術大学では非常勤講師として「コミュニケーションデザイン論」を担当する菅付雅信さんが書いた、こちらの新刊書です。
菅付雅信『物欲なき世界』(平凡社)
この本は、「欲しいモノがない世界」の時代精神を探して、豊富な取材と著者のさまざまな体験から、今後の世界が向かう方向を予測した書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.欲しいものがない世界の時代精神を探して
2.「生き方」が最後の商品となった
3.ふたつの超大国の物欲の行方
4.モノとの新しい関係
5.共有を前提とした社会の到来
6.幸福はお金で買えるか?
7.資本主義の先にある幸福へ
8.経済の問題が終わった後に
本書の冒頭で著者が述べている、「モノが売れる時代は終わった、最後の商品は “ ライフスタイル=生き方 ” である」という見方に、私は大きな衝撃と感動を受けました。
まさに現代の世界、とくに日本をめぐる環境はその通りだと納得したからです。「ライフスタイル・マガジン」と呼ばれる雑誌は内外で急増しています。
その中でも、代官山蔦谷書店は、洋書や洋雑誌の充実度で群を抜いていて、現在70種類以上を揃えていますが、最も売れているのは、『キンフォーク』だと言います。
この『キンフォーク』は、2013年6月に日本語版が創刊され話題になりましたが、もともとは2011年に米国オレゴン州ポートランドにて創刊されたライフスタイル・マガジンです。
『キンフォーク』は今や、世界中に熱心なファンを獲得し、先進国の高感度な書店や雑貨店などに置かれています。この雑誌の特徴は、まるで写真集のような作りにあって、広告は一切なく、テキストも少ない。
上質なマット紙にたっぷり余白をとって、美しい写真やテキストをレイアウトし、食を中心にしたライフスタイルを紹介しています。
この『キンフォーク』に代表されるライフスタイルの提案が、今後の世界では求められるニーズなのでしょう。もはや「モノの消費」ではないということです。
本書はとても奥深い、今後の「世界のトレンド(=潮流)」を展望した書ですが、細かい解説は抜きにして、ぜひ本書を通読していただきたいと思います。
このブログ書評では、本書が提唱する「世界のトレンド(=潮流)」に呼応する参考文献や推薦書を以下に挙げることで紹介に替えたいと思います。
あなたも本書を読んで、「物欲なき世界」がどのような時代になるのか、しっかりと予測してライフスタイルを変えていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を