書評ブログ

『物流ビジネス最前線』

「物流の今を知ることは、経済の今を知ること」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、神奈川大学経済学部教授で、日通総合研究所で交通・物流に関する国内・海外の調査プロジェクトに従事する齋藤実さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

齋藤実『物流ビジネス最前線』(光文社新書)

 

 

この本は、アマゾン、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など、ネット通販・宅配便によるラストマイルの攻防について、物流の現場で、いま何が起きているかを書いて解説した書です。

 

 

これまで物流は、経済や企業を背後で支える地味な存在で、社会的に大きく注目されることはなかった、と著者は言います。

 

 

しかしながら今や、「物流を征するものがビジネスを征する」と言われるほどに、物流は経済全体に大きな影響を与えています。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.アマゾンが描く近未来

 

2.巨大化する物流センター

 

3.ラストマイルで何が起きているか

 

4.現代輸送のインフラ・宅配便

 

5.ドライバー不足

 

6.買い物難民

 

7.ネットスーパー

 

 

この本は、物流の最前線を取材する中で、インターネット革命が起こした社会の構造変化を予測する上で、大きなヒントを与えてくれます。

 

 

とくに、ネット社会の勝ち組として、世界の小売業を征する勢いのアマゾンの戦略を研究することにより、日本の超高齢化が進む中での消費形態の構造変化の行く末が見えてきます。

 

 

さらに、現在のネット通販の急成長という消費構造の変化の中で起きている、以下の注目すべきテーマについて、本書は的確な予測を提供してくれます。

 

 

◆ 巨大化する物流センターの競争

 

◆ ラストマイルと呼ばれる個人宅への配送サービス競争

 

◆ トラックの運転手不足と過重労働の問題

 

◆ 高齢化過疎地域の買い物難民問題

 

◆ ネットスーパーの競争力

 

 

先進国、とりわけ日本では、人口減少や急激な少子高齢化により、全体の個人消費が伸び悩む中、ネット通販のみが急成長を続けています。

 

 

それによって、個人宅への配送サービス競争が激化していて、大型物流センターの建設ラッシュや、宅配便業者における低価格競争が限界を迎えつつあります。

 

 

一方で、アメリカでは配送業者の寡占化は日本と同様ですが、価格支配力を持っていて業績が安定している、ということです。

 

 

今後の日本の物流業界をどう見るか、本書は大きな示唆を与えてくれる書で、経営者や経営幹部にはぜひ、お薦めしたい一冊です。

 

 

併せて、先般紹介しました、ネット通販のひとり勝ち会社で、且つ、IT業界の覇権グーグルアップルと争う、アマゾンの経営戦略が分かる以下の書籍も読まれることをお薦めします。

 

 

あなたも、この2冊を読んで、今後の社会構造の変化を展望してビジネスを構築していきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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