「私はビジネスマンにこそ、歌舞伎見物をすすめたい。歌舞伎には、何百年も変わらない日本人の姿が描かれているからだ。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、マイクロソフト日本法人の元社長であり、書評サイト「HONZ」代表である成毛眞さんが書いた、こちらの書籍です。
成毛眞『ビジネスマンへの歌舞伎案内』(NHK出版新書)
この本は、初心者には理解しがたい歌舞伎の世界を分かりやすく案内し、知らないと恥ずかしい常識から、教養として押さえておきたい必須の演目、ビジネスにも役立つちょっとした情報まで、自身の体験を織り交ぜながら、豊富な知識で縦横無尽に説いている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.忙しい現代人には歌舞伎が必要である
2.知らないと恥ずかしい歌舞伎の常識
3.教養として押さえておきたい演目12
4.歌舞伎見物をスマートに楽しむ
5.ビジネスに歌舞伎を役立てる
この本の冒頭で著者は、「歌舞伎はつまらない、長らく私もそう思っていた。」と吐露しています。
実は私も、かつて子どもの頃に社会科見学で歌舞伎座に行き、全く理解できないうちに深い眠りに入り、見学時間の大半を寝て過ごした経験から、同じように “ つまらない ” と思っていました。
ところが先日、何十年ぶりかで夫婦で、新しい歌舞伎座へ歌舞伎を鑑賞に訪れた際に、まったく違う印象で楽しめたことをきっかけに、本書を手に取り、改めて歌舞伎の奥深さを学ぶことにしました。
歌舞伎は意外なことに、その興行のほとんどを松竹という民間企業が手がけている民間ビジネスだ、と本書で説明しています。
したがって、歌舞伎座に出演する役者は全員が松竹と契約しており、出演契約にサインしたうえで舞台に上がります。
また、伝統芸能である歌舞伎には人間国宝も多く、松竹は7人の人間国宝を有する稀有な演劇製作興行会社、ということになります。
著者の成毛さんは、「歌舞伎は日本の伝統芸能の一つ」という答え方ではなく、「歌舞伎は大相撲」「歌舞伎は花見」「歌舞伎はフェスみたいなもの」といった、相手によって「楽しみ方が自由」ということを伝えているそうです。
歌舞伎は、むりにわかろうとせず、リラックスする場、観に行くという行為自体を楽しむもの、ということです。
その他、本書では歌舞伎やその見物について、以下のような解説やポイントが紹介されています。
◆ 歌舞伎の席やチケット料金
◆ 歌舞伎の常識(分類、役者、音楽、鳴物)
◆ 歌舞伎見物の服装、必須アイテム(筋書・イヤホンガイド、字幕ガイド、
◆ 教養として押さえておきたい演目(三大名作ほか)
◆ 歌舞伎の食事(歌舞伎そば・喫茶YOU、銀の塔、ナイルレストラン、弁松の弁当、かすみ亭の弁当)
この本の最後には、ビジネスに歌舞伎を役立てるための考察が記されています。次のようなポイントは参考になります。
◆ 歌舞伎から考える粋な生き方・働き方
◆ 舞台はビジネス社会の縮図
◆ ベテラン役者の年季の積み方
◆ 歌舞伎の文化的背景を海外からの訪日客へ説明
◆ 歌舞伎の連綿として続く顧客サービス
あなたも本書を読んで、より深く歌舞伎を味わってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を