書評ブログ

『僕が「プロ経営者」になれた理由』

「もがいてきたからこそ、見えてきたものがある。あえて困難なチャレンジを続けてきたからこそ、得られた経験がある。」と説き、「変革の時代のリーダー」について書いた本があります。

 

 

本日紹介するのは、ハーバード大学でMBAを取得し、ボストン コンサルティング グループアップルコンピュータを経て、日本HP社長ダイエー社長日本マイクロソフト社長を歴任した樋口泰行さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

樋口泰行『僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは「情熱×戦略」』(日本経済新聞出版社)

 

 

この本は、次のような不安を抱えるビジネスパーソンへのメッセージとして書かれました。

 

 

◆ いまの職場にいても、息が詰まる

 

◆ リーダーになって苦労するより、現状維持の方がいい

 

◆ 市場で通用するキャリアを積まないと、将来が不安だ

 

◆ 自分の会社や業界の先が見えない

 

 

著者の樋口泰行さんは、「プロの経営者」として社内で昇格した人間ではできない変革の実行を求められることが多い、と言います。

 

 

つまり、誰かがリスクを負ってリーダーシップを発揮しなければ、日本も日本企業も行き詰ってしまうため、現在の日本では多くの企業で求められている「変革の時代のリーダー」について書いています。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.どうすれば「自分の価値」を高められるのか

 

2.なぜ、リーダーをめざすのか?

 

3.なぜ、組織を変え続けるのか?

 

4.なぜ、戦略がうまくいかないのか?

 

5.なぜ、マイクロソフトは変わったのか?

 

6.これからITはビジネスをどう変えるのか?

 

 

この本の冒頭で著者は、「転職をすることが重要なのではない。きちんと必要なスキルを身につけ、多様な経験を積んで、一つの閉じた世界のみで認められるのではなく、普遍的に周囲から評価される “ 市場価値 ” を高めることが大切なのだ。」と述べています。

 

 

また、著者自身が「プロ経営者」として請われたのも、結局は地道なビジネス経験の積み重ねが評価されてきたからだ、ということです。

 

 

そして本書では、「ビジネスパーソンとして評価されるとはどういうことか」について考え、そうした人材に対する市場原理を効かせた、ある種の「働き方改革」を論じています。

 

 

著者はその経験から、「どのようにすれば人材としてのマーケットバリューを高められるか」という観点で、以下のようにポイントを提示しています。

 

 

◆ キャリアはマネジメント能力に集約されていく

 

◆ 日本人に受け入れられるキャラクターや営業力

 

◆ アメリカ人に受け入れられるキャラクターやアグレッシブさ

 

◆ 外部とのいろいろなリレーションシップに長けていること

 

◆ 内部のハイスピードで俊敏性の高いオペレーション

 

 

◆ ダイバーシティについての深い理解と、そこからの発想

 

◆ 自分のキャリアは自分で切り拓くと考える

 

◆ ダイバーシティは、多様性の受け入れから、多様性をバネにした価値の創造へと変わっている

 

◆ 何にフォーカスを当て、優先順位をいかにつけるかもリーダーの重要な資質

 

◆ 首尾一貫したメッセージを熱い思いで語り続ける

 

 

本書の中盤から後半にかけては、組織の変革戦略の実行について、著者の経験をもとにして、その要諦が記されており、参考になります。

 

 

詳細については、ここでは書きませんので、興味ある方はぜひ、本書を手に取って読んでみてください。

 

 

この本の最後は、著者がつい最近まで社長を務めていた日本マイクロソフトの変革について、2007年にオファーをもらって入社したときからの経緯が記されています。

 

 

その時に最大のポイントになったのは、入社半年後に日本HP時代の同僚を招いて設置した、社長直轄CQO(Chief Quality Officer = 最高品質責任者)です。

 

 

マイクロソフトの中でもCQOを設置したのは日本が初めてで、しかも「品質」は、製品・サービスそのものの品質、営業やサービス担当者の考え方やコミュニケーションの品質、トラブル発生時の会社としての対応の品質など、様々な角度からアプローチするものです。

 

 

トラブル情報が伝わるとCQOはすぐに飛んでいき、まず謝る。原因解明や対処には全権を与えて、マイクロソフト本社と協議しなければならない案件は、海外出張を決める権限も含めて、とにかくゲリラとして自由に動けるようにした、ということです。

 

 

こうしたCQOの活動によって、傲慢な対応という日本マイクロソフトのイメージは変わり、「トラブルは宝の山」ととらえて、信頼を獲得していったそうです。

 

 

この本の最後では、「これからITはビジネスをどう変えるか」という視点から、クラウド革命とITリテラシーの重要性に言及しています。

 

 

日本語で言う「情報」は、英語では、「インフォメーション」「インテリジェンス」に分かれていて、「インフォメーション」とは単なる事実関係やデータとしての情報です。

 

 

一方で、「インテリジェンス」は、事実関係やデータから物事の核心的な動きをとらえた情報です。「インテリジェンス」であるためには、深い教養と現場についての深い理解が欠かせない、と著者は言います。

 

 

あなたも本書を読んで、変革のリーダーである「プロ経営者」に必要な資質を学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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