書評ブログ

『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』

「新型コロナによる経済的影響が長期化するのはほぼ確実という状況です。新型コロナという見えない敵の台頭は、『安い国』になった日本にさらに追い打ちをかける可能性があります。」と指摘している本があります。

 

 

本日紹介するのは、東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社、その後野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価投資業務を担当、独立した後は、中央省庁や政府系金融機関へのコンサルティング業務に従事、現在は多くの媒体で連載を持つほか、テレビやラジオの解説者、コメンテーター書籍執筆など幅広く活動している経済評論家加谷珪一さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

加谷珪一『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』(幻冬舎新書)

 

 

この本は、日本は賃金も物価も低水準で、日本が貧しくて「安い国」になっていることを指摘し、それが新型コロナ感染症拡大で、さらに危機になっていることを考察している書です。

 

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

 

1.はじめに

 

2.日本はこんなに「安い国」になっている

 

3.安さだけではない、日本の転落

 

4.なぜここまで安くなってしまったのか

 

 

 

5.モノの値段はどう決まるのか

 

6.そもそも経済大国ではなかった-為替レートのマジック

 

7.日本の強みをどう生かすべきか?

 

8.「おわりに」にかえて

 

 

 

この本の冒頭で著者は、日本が賃金や物価がここまで安くなっているというデータを、アメリカや他のアジア諸国と比べて提示しています。

 

 

 

続いて、安さだけではなく「日本の転落」について説明し、「なぜここまで安くなってしまったのか」を分析・解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

 

◆ 世界競争力ランキングでの日本の順位急落

 

◆ 科学分野での引用論文数の低下

 

◆ 駐在員が住みたい国ランキングも低落

 

◆ 日本の年金制度は新興国並み

 

◆ 海外メディアも注目する日本の貧困化

 

 

 

◆ 20年間昇給なしの日本の労働者

 

◆ 生活実感の厳しさ

 

◆ 消費増税→景気後退は日本だけ

 

◆「昭和モデル」から脱却できない日本企業

 

 

 

本書の後半では、「モノの値段はどう決まるか」および「そもそも日本は経済大国ではなかった」という根拠を説明しています。ポイントは以下の通りです。

 

 

◆ 不景気になると物価は下落傾向

 

◆ アベノミクスによる金融緩和は実体経済を良くしていない

 

◆ 新型コロナがスタグフレーション(不景気の物価高)誘発も

 

◆ 国債の大量発行で「日本破綻論」も

 

 

 

◆ 為替レートは基本的に購買力平価で決まる

 

◆ 虚構だった日本の「一人当たりGDP世界一」

 

◆ 打つ手なしポストコロナの日本の経済対策

 

 

 

本書の最後で著者は、「日本の強みをどう生かすべきか?」について論じています。ポイントは以下の通り。

 

 

◆ 国内消費で経済を回す国に転換すべき

 

◆ サラリーマン社長を一掃すべき

 

◆ 低生産性の原因は社内失業

 

◆ インバウンドにも付加価値という視点を

 

 

 

この本の締め括りとして、付加価値を常に意識して生活することを説いています。具体的には、次の3点です。

 

 

1.外国に投資する(外国で稼ぐ企業に投資する)

 

2.外国で稼いで日本で暮らす

 

3.外国にモノを売ることを考える

 

 

 

あなたも本書を読んで、ますます転落する「貧乏国ニッポン」の現状を知り、対策を立てる生活をしていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2444日目】