書評ブログ

『チームの成果とメンバーの成長を両立させる 伴走するマネジメント』

「結局のところマネージャーは厳しくあるべきなんですか?それとも優しくあるべきなんですか?」という質問に対して、「ルールには厳しく、コミュニケーションは優しく、が原則です。ルールとコミュニケーションは分けて考えるべきですね。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、早稲田大学理工学部卒業、トーメン(現・豊田通商)、日本オラクルを経て、2003年リンクアンドモチベーション入社、組織開発コンサルティング部門長を経て2009年独立、株式会社トゥルーワード代表取締役、2016年よりフィールドマネージメント・ヒューマンリソースに参画、ディレクター和田真二さんが書いた、こちらの書籍です。

 

和田真二『チームの成果とメンバーの成長を両立させる 伴走するマネジメント』(自由国民社)

 

この本は、組織をいかにマネジメントするか、より端的に言うならメンバーマネジメントをテーマとし、優秀ではないメンバーを成長させながら業績にもつなげられるマネジメントについて解説している書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.「個の尊重」時代に深まるマネージャーの苦悩

2.「伴走するマネジメント」とは何か

3.伴走するマネジメントの実践(1)

4.伴走するマネジメントの実践(2)

5.伴走するマネジメントの実践(3)

 

この本の冒頭で著者は、「新しいマネジメントの方法が求められており、それが本書で述べる『伴走するマネジメント』ということになります。」と述べています。

 

そして「手短に言うなら、それは厳しさと優しさを含みこみ、目標達成に向かってリーダーとメンバーが足並みを揃えることができる、マネジメントの方法です。」と続けています。

 

 

本書の前半では、個の尊重時代に深まるマネージャーの苦悩について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 数値目標の達成と部下指導の両立に苦悩するマネージャー

◆ マネジメントの4タイプ:①指示管理型(事業重視×統制)

◆ ②職人型(事業重視×個性)

◆ ③ビジョン型(組織重視×統制)

◆ ④奉仕型(組織重視×個性)

 

◆ 3つの事業フェーズ:①草創期、②成長期、③成熟期

◆「守破離」の考え方がポイント

◆「守」:軸を極める

◆「破」:弱点を克服する

◆「離」:幅を広げる

 

 

この本の中盤では、「伴走するマネジメントとは何か」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 伴走するマネジメントは「指示管理型」を軸に

◆ 伴走は視界共有から始まる、視界共有しないとランナーは安心して走れない

◆ メンバーの視界はマネージャーより低い

◆ 専門性の自立、思考の自立、行動の自立

 

◆ 視界を共有するフレームワーク Reflects

◆ Result、framework、level、episode、cost、time-bound、strategy

◆ 戦略とは、機会と強みに従って要素を絞ること

◆ 視界共有の Reflects シート

 

 

本書の後半では、「伴走するマネジメントの実践(1)」「伴走するマネジメントの実践(2)」および「伴走するマネジメントの実践(3)について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 戦略立案と目標設定、課題解決を重視

◆ 指示管理型を軸に

◆ ➀経験からイメージ、②失敗の原因を探る、③相手の立場で評価、④比較、⑤ネット情報を参考に

◆ PEST分析、バリューチェーン分析、SWOT分析

 

◆ チームの課題解決を高速回転させる、課題解決の3ステップ:➀問題となる領域を特定、②問題の真因を特定、③課題の解決策を決定

◆ 短期間で成果が見える施策を優先的に取り入れる

◆ 課題解決に規範を取り入れる(自責と他責、チャンスとリスク)

◆ 個別課題を解決する(奉仕型の考え方)

◆ ナレッジをシェアする(クラウドツールの活用)

 

◆ ビジョン型の施策を実行

◆ 理念を整える、理念を浸透する

◆ キャリア面談(MUST、CAN、WILL)

◆ 1 on 1 を習慣にする

◆ 業務改善のECRS(Eliminate、Combine、Rearrange、Simplify)

 

 

この本の締めくくりとして著者は、以下の過去に流行した言葉と現在の言葉を比較して、進化ではなく本質は変わっていないと述べています。

◆ ミッション ⇒ パーパス

◆ コーチング ⇒ 1 on 1

◆ モチベーション ⇒ エンゲージメント

 

そのうえで、この本を書くにあたって次の3点を特に意識したと説明しています。

1.マネジメントの全体像を示す

2.普遍的で再現性のある考え方やスキルに絞る

3.実務で明日から使える内容にする

 

 

あなたも本書を読んで、チームの成果とメンバーの成長を両立させる「伴走するマネジメント」を学び、厳しさと優しさを使い分ける考え方を実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3221日目】