「私が何よりも呆れたのは、この新型コロナ肺炎に関する騒動で驚くほどのバカが次々に現れたことです。」と述べて、とくに「武漢肺炎にまつわる一番のバカは政府です。」「二番目のバカは、今回も国のことより政府を攻撃することだけに夢中の野党です。」と痛烈に批判している本があります。
本日紹介するのは、1956年大阪市生まれ、『永遠のゼロ』、『海賊と呼ばれた男』、『偽善者たちへ』など多数の著者がある作家の百田尚樹さんが書いた、こちらの書籍です。
百田尚樹『バカの国』(新潮新書)
この本は、有料個人サイト「百田尚樹チャンネル」の会員向けに配信しているメールマガジンの文章に加筆・修正してまとめている書です。
前作『偽善者たちへ』(新潮新書)は、「偽善」をテーマに書いたものをまとめたものでしたが、今回のテーマは「バカ」です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.怒りの長いまえがき
2.クレーマー・バカ
3.やっぱりSNSはバカ発見器
4.世にバカの種は尽きまじ
5.血税を食べるバカ
6.公務員の楽園
この本の冒頭で著者は、日本には自分も含めていかにバカが多いかに驚くと同時に、自分など足元にも及ばない「真正のバカ」も沢山いて、さらに単なるバカとは言えない、人間として終わっているのではないかと思えるバカもいる、と嘆いています。
また役人や政治家の中には「税金に巣くう寄生虫」かと思えるようなひどいバカも大勢いて、この日本は「バカの国」になったと言えそうです、と指摘しています。
まず著者は、今回の武漢肺炎にまつわるバカを以下の順番で列挙しています。
◆ 政府:中国からの感染した観光客を入国させ続けた
◆ 野党:武漢ウイルスへの対策を質問すべき時期に、ひたすら「桜を見る会」の質問に終始していた
◆ メディア:1月半ばの時点で、武漢肺炎の危機に警鐘を鳴らしたメディアはほとんど無し
◆ 地方自治体の首長:自治体が緊急用に備蓄していた防護服やマスクを大量に中国へ寄付
-東京都も防護服30万着を寄付、兵庫県も備蓄マスク130万枚のうち100万枚を寄付、二階俊博幹事長は党員に5千円寄付を呼びかけ
◆ 不足するマスクを買い集めてネットで転売して儲けた輩
◆ 私たち国民:メディアの情報を鵜呑みにして危機感が皆無
著者が言うには、日本は楽団員(国民)が優秀で統制も取れているが、指揮者(政治家)が無能なオーケストラのようなもので、平時には指揮がどうであれきちんと演奏できるが、ひとたび予期せぬハプニングや危機が訪れると、どう演奏していいか分からず、指揮者が早く明確な指示も出せないため、立て直すことができない、ということです。
危機管理能力の低さが、今回の武漢肺炎でははっきりと露呈し、いかに先が読めないか、判断が遅くて対策も全く効果が出ていない(現金が困った人に届いていない)かが明白になりました。
続いて、クレーマーに関するバカとして、次のような実例を挙げて嘆いています。
◆ 盆踊り、花火、除夜の鐘の騒音、餅つきの食中毒リスクへのクレーム
◆ 制服で買い物する警察官、消防士へのクレーム
◆ 普通の注意や忠告に対するセクハラ、パワハラを主張するモンスター・ペアレントやヒマなクレーマー
次に、SNSをはじめ迷惑をかけるバカとして、以下の事例を紹介しています。
◆ ポケモンGOに夢中になって犯罪を犯す中高年
◆ 洗剤チャレンジなど危険な行為を面白がって競う若者
◆ 面白ければ何でもありのユーチューバーの動画撮影
◆ LINEの誤送信で誤解を拡散した市長
◆ 器物を破損してまで線路に入る中年の鉄道マニア
◆ 生卵バカ兄弟
◆ 飛行機を止めるバカ
◆ 居眠りバカ
本書の後半では、「血税に巣くうバカ」や、「公務員の楽園」として、税金を使いながら救いようのないバカを、怒りを込めて提示しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 生活保護を受けてパチンコ(賭博)をするバカ
◆ 生活保護に肥満が多い理由
◆ ジェネリック医薬品と生活保護
◆ 17年以上も給食メニューからカレーを除いているバカ
◆「いじめ」加害者教師の権利主張
◆ ゴミ袋がゴミになる経済観念のない役所仕事
◆ 飲酒運転教師をかばうバカ
◆ 地方議員の政務活動費不正受給、海外視察費の疑惑
あなたも本書を読んで、バカが国の中枢にまで浸透している現実を認識し、これからの国の行方を考えてみませんか。
2020年10月23日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第160回】ベストセラー作家が語る「バカの国」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2405日目】