書評ブログ

『60歳から食事を変えなさい』

「60歳からは、食品の選択、食べる量、食べ方などを、からだの変化に合わせて変えていく必要がある」と提唱し、「60歳を過ぎても、若い頃と同じような感覚や知識に則った食生活を続けていると、棟梁病、脂質異常症、高血圧をはじめ、脳梗塞や心筋梗塞といった生活習慣病のリスクが上がってしまいます。」「また、年をとってきたからと粗食にしてしまうと、筋肉や骨の量が減って運動機能に問題をきたしたり、疲れやすくなったり、心身の健康状態に支障をきたしてしまいます。」と警鐘を鳴らしている本があります。

 

 

本日紹介するのは、東京農業大学農学部栄養学科を卒業、大妻女子大学大学院修士課程修了の後、千代田区のクリニックにて入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している管理栄養士、日本抗加齢医学会指導士森由香子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

森由香子『60歳から食事を変えなさい』(青春新書プレイブックス)

 

 

この本は、60歳からの食事のコツとその理由を、全身の老化、筋肉や骨、脳、見た目、病気、栄養不足のそれぞれの観点から紹介してまとめた書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.年齢による「からだの変化」に食べ方を合わせる

2.たんぱく質ファーストで「筋力低下」を防ぐ

3.カルシウムだけでは「骨粗鬆症」は予防できない

4.脳の健康を守って「認知症リスク」を下げる食べ方

5.「見た目の若さ」を保つにもやはり食事が大切

6.「病気」になりたくなければ、いまこそ食習慣を改める

7.60歳からは「栄養不足」にも気をつける

 

 

この本の冒頭で著者は、「老化を遅らせる体内物質」である、サーチュイン遺伝子、この遺伝子の活性化による酵素サーチュインについて、「からだを老けさせる活性酸素を除去し、脂肪を燃焼させ、動脈硬化や糖尿病、さらに認知症も防ぐ力がある」と解説しています。

 

 

そして、この酵素サーチュインを活性化させるには、午前中にNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を増やすバランスの取れた朝食メニューでエネルギーをしっかり作り出すことを提唱しています。

 

 

本書の前半では、「年齢によるからだの変化に食べ方を合わせる」およびたんぱく質ファーストで筋力低下を防ぐ」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 熟睡するために、寝る前3時間は何も食べない

◆ 味覚の衰え→塩分の摂り過ぎ→腎機能の低下に注意

◆ シミ、貧血、動脈硬化を防ぐ抗酸化物質のビタミンEを多く摂る

◆ 歯茎を健康に保つコラーゲンとビタミンC

◆ ポリアミンの寿命延長作用を察生化するアルギニンが豊富な鶏肉、牛肉、豚肉、えび、まぐろ、納豆、豆腐を食べる

 

◆ タンパク質不足→筋肉・筋力の低下→サルコペニア→ロコモティブシンドロームに注意

◆ 60代からは野菜ファーストではなく、肉・魚ファースト

◆ タンパク質の重要な補給源はピーナッツバター

◆ 筋肉量を維持するには「朝ごはんにたんぱく質!」

◆ 筋肉量が多い人ほど長生きできる、タンパク質をとって下半身の運動を

 

 

この本の中盤では、「カルシウムだけでは骨粗鬆症は予防できない」「脳の健康を守って認知症リスクを下げる食べ方」および「見た目の若さを保つにもやはり食事が大切」について考察しています。主なポイントは次の通り。

 

骨粗鬆症の予防には、刺身より焼き魚、煮魚

◆ 亜鉛が不足すると風邪をひきやすい、亜鉛が豊富な牛肉、卵や牡蠣を

◆ 炭水化物が中心の食事は血糖値を上げて糖尿病と認知症のリスク

◆ 早く認知症になる人は、肉を食べない人、よく噛まないで食べる人

◆ 出汁を取る日本食は認知症予防の観点でもいいメニュー

 

◆ 骨の健康を保つビタミンDは魚料理がいい

◆ 納豆、豆腐など大豆にはトリプトファンというハッピーホルモンのセロトニンの原料が多く含まれる

◆ 血糖値スパイク(甘い物好き)や資脂質不足は老けて見える

◆ 加齢臭を防ぐには海藻など食物繊維を多く摂る

 

 

本書の後半では、「病気になりたくなければ、いまこそ食習慣を改める」および60歳からは栄養不足にも気をつける」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 果物好き、スイーツ好きは腎臓に負担、尿酸値を上げる

◆ 動脈硬化を防ぐ、葉酸やビタミンB群が豊富な鶏肉、コーン、バナナ、大豆、海苔

◆ 頻尿を気にして水分を摂らないともっと深刻な病気の原因に

◆ 中高年になったらビタミンCはとくに注意して摂取する

◆ 食欲府が出ない後期高齢者には1日5食もお勧め

 

 

この本の最後には「主な参考文献・Web」が掲載されていて役立ちます。

 

 

あなたも本書を読んで、4000人を超える患者と向き合い、栄養指導を行ってきた管理栄養士による「最新栄養学からわかった食べ方の分岐点」を学び、60歳から食事を変えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2754日目】