団塊世代が50代の時に「ニューフィフティ」と呼ばれ、早期退職などで新たな人生設計を描いた人たちの記録をドキュメントとして描いた書があります。
本日紹介するのは、定年後の生き方を取材して、現代サラリーマン事情を書き続けてきたノンフィクション作家の加藤仁さんが1997年に書いた、こちらの書です。
加藤仁『50歳からの人生を楽しむ法』(講談社)
この本は、当時50代だった団塊の世代80名以上を取材して、サラリーマン人生のあり方や行く末について想いを巡らせて一歩を踏み出した人々の記録です。
本書は以下の3部構成で、11の小項目に分かれています。
1.ニュー・フィフティの進路
2.変わりゆく家族像
3.素晴らしい「生涯」を完成させる
小項目としては、以下の項目に分類されています。
◆ 早期退職時代の到来
◆ 団塊世代の正念場と突破口
◆ 新しい人生設計のケース・スタディ
◆ ファーザーレス・ファミリーの再出発
◆ 団塊ジュニアは「脱会社」をめざす
◆ 団塊夫婦の危機
◆ 自立を認め合う夫婦
◆ 夫婦は二人四脚
◆ 「60歳からの仕事」大研究
◆ 一点突破、日々是好日
◆ 「生き方革命」の実践者たち
本書のに登場する団塊世代の新たな人生の事例の中で、早期退職後の就職の厳しさ、起業の厳しさは、実感として分かるほど苦労する姿が描かれています。
再就職も厳しいですが、フランチャイズで起業したり、農業や飲食店の道に進んでいる方も苦労しています。事業だから当たり前ですが、やはり年齢と経験不足のハンディは厳しいものがあります。
また、逆にに上手く行くケースとしては、「ライフスタイルを変更する」という決断をした人たちです。海外や地方の物価の安い環境に適応したり、生き方を変えたりする人々です。
もともと会社勤めの副産物として、これまでのライフスタイルは築かれたものなので、そこが変わればライフスタイルの変更は当然と、思えるかどうかだ、と著者は言います。
また本書の後半にある「60歳からの仕事」大研究は示唆に富んでいて参考になります。「生涯現役」として仕事ができる道を選ぶ元サラリーマンは増えています。
最初は苦労しますが、実は厚生年金を確保したうえで自営業としての収入を求める生き方は、最初の立ち上げこそ大変ですが、軌道に載せれば、最初から自営業だった人より、厚生年金の収入分はかなり有利です。
また、シニアの雇用という労働環境も次第に整備されてきていて、週何日といった勤務形態を選べたり、収入レベルも多様性が出てくるなど、人生設計に合わせた選択の幅が広がりつつあります。
本書は、50歳以降の働き方やライフスタイルについて豊富な事例を知ることができるので、定年後の人生設計を考える際には有効でしょう。
あなたも本書を参考にして、改めて人生設計を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を