50代になって「糖尿病」と診断された後、生活習慣を改善して劇的に「健康な体」へと変化した人がいます。1954年愛知県生まれでノンフィクション作家の桐山秀樹さんです。そこで本日は桐山さんが書いたこの本を紹介します。
桐山秀樹『男50代からの若い体のつくり方』(知的生きかた文庫)
この本は、著者の桐山秀樹さんが55歳の時に「糖尿病」と診断され、食生活を中心に生活習慣を変えることで、健康な体を取り戻した体験をもとに、医学的な知識を分かりやすく解説した本です。
私が書店でこの本をすぐに手に取って購入したのは、私の「生活習慣改善法」と殆ど同じ方法で、改めて自分のやり方が間違っていなかったと確信を持てたからです。桐山さんはこのやり方で3週間で87kg あった体重を67kg に減量したと言います。
桐山さんの減量は20kg に及んだのに対して、私の減量は9kg 程度でしたが、もともと桐山さんに比べれば肥満の度合いが軽かったためでしょう。この方法は、理想的な体重まで落ちた後は一定の体重を安定して維持できるところが特徴です。いわゆるダイエットとは違います。
では、桐山さんが提唱する「食生活の改善法」のエッセンスを以下に紹介しましょう。
1.糖質制限を基本とするため、主食のごはんなどを1食20g、3食で60g に制限する
2.制限するのは糖質だけで肉や魚などのたんぱく質は野菜とともにしっかり摂る
3.眠りながら内臓脂肪が燃える体にするため夕食は早めにし、とくに糖質を制限する
4.カロリスを意識して、体に必要な栄養素は減らさず、カロリーのみ制限する
5.空腹になってから食べるという規則正しい生活をする
以上の食生活が基本ですが、食べ方についても以下の5点が重要だとしています。
1.食べる順番を守り、ゆっくり、よく噛んで食べる
2.良質なたんぱく質である卵や肉を積極的に摂り、フレッシュな脳をつくる
3.乳酸菌と食物繊維で腸内環境を整え、脳を健康に保つ
4.細胞を傷つける活性酸素を除去する抗酸化物質「ビタミンACE」を摂る
5.「長生きの栄養素」である魚介類やナッツ、緑黄色野菜を摂る
これらが「大人の食べ方」だと桐山さんは言います。桐山さんの説明は正確な医学の知識に基づいて、理論的な解説がなされているので難しいことも分かりやすく理解できます。
医学の分野では専門家が論争するテーマも多く、何が真実なのかが私たちには分かりにくいのが実態ですが、この本は実体験に基づいてデータも開示されているので、私の経験とも照らして納得感がありました。
ごはんなどの「主食を減らす」というのは、シンプルだけど意識しなければなかなかできない食生活習慣です。ダイエットと言うと、どうしても肉などのたんぱく質や脂質を減らす方向に行ってしまうでしょう。
次に、私たちが健康診断の結果で気にする検査数値について、著者の桐山さんがこれだけはとくに注意してみるべきだという5項目と注意数値を以下に挙げておきます。
1.胸囲(男性85cm、女性90cm 以上)
2.高血圧(上が130mmHg以上、下が85mmHg以上)
3.脂質異常(中性脂肪150mg/dl以上、またはHDL40mg/dl以下)
4.高血糖(空腹時血糖値110mg/dl以上)
5.HbA1c(= ヘモグロビンエーワンシー)NGSP値( 6.0%以上)
「人の体は50代でメイン・エンジンが切り替わる」という桐山さんの説明は、とても納得のいくものでした。中高年になると、若い時の「瞬発力に優れたシステム」から脂肪を燃やしてエネルギーにする「持続力に優れたシステム」に切り替わるということです。そのため、脂肪を燃やすような生活習慣にする必要があります。
最後に、桐山さんが提唱する「若い体をつくる5つのメリット」を挙げておきます。
1.内臓脂肪をどんどん燃やすから太らない
2.血糖値が上昇しないため「内臓が疲れない」
3.体重、血圧、血糖値など健康数値が改善する
4.頭が冴えて「集中力が持続する」
5.眠りの質が高まり「短く深く眠れる」
皆さんも正しい知識を持って、体の健康をぜひ早くから考えていただきたいと思います。
では、今日もハッピーな1日を!