書評ブログ

『47原則-世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』

マッキンゼーに勤務して、世界7か国の現場で学んだ仕事の基本を提唱している本があります。

 

本日紹介するのは、経営コンサルタントで、北米やヨーロッパなど世界7か国で先端技術産業のプロジェクトに関わった経験を持つ服部周作さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

服部周作『47原則 世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』(ダイヤモンド社)

 

この本は、世界一のコンサルティングファームであるマッキンゼー&カンパニーで、リーダーたちが実践するマニュアルにない成功法則を、「47の原則」としてまとめ、提唱した書です。

 

 

もともと2015年11月にアメリカで『THE McKINSEY EDGE』として出版して話題の書になっていたものを、著者の服部周作さんが自ら翻訳し、ダイヤモンド社から出版しました。

 

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。もともと章立てとしては5章に分類されていますが、本書で説いている「47原則」およびその底流に流れるリーダーの資質などを再構成し、私なりにまとめ直すと、以下の10部構成となります。

 

1.先手を打つ

2.平常心を保つ

3.多面的に捉える

4.コミュニケーション上手になる

5.共感する

 

6.チームメンバーへの思いやりを持つ

7.生産性を極限まで高める

8.持続的な成長を実現する

9.リーダーを際立たせる卓越した思考力

10.書くことの価値を説いたマービン・バウアー

 

 

全体の流れとしては、著者が「あとがき」でも触れている通り、上記構成の1~3にあたる最初の部分では、「自己改善」に焦点を当てています。

 

 

自己改善のポイントはシンプルで、先回りして考えることや、辛い時期を乗り越えること、そして、将来の成功を最大限引き出せるように、あるべき自分の姿をより具体的に描くことが大切だ、ということです。

 

 

続く、上記構成4~6では、自分のチームや、その他の利害関係者に影響力を行使する方法を採り上げています。

 

 

チームとして最大の成果を挙げたい場合、あなた自身に費やすよりさらに多くの努力を相手に傾けることが重要だ、ということです。熱意がなければ他人を育てることはできません。

 

 

次の上記構成7では、生産性をテーマに、現在の仕事のプロセスを構造化して、補完する便利なツール、つまり高い生産性を実現するための具体的な手法を紹介しています。

 

 

そして上記構成8では、すべての原則にまたがる「リーダーを際立たせる卓越した思考力」をテーマに採り上げています。

 

 

さらに上記構成9と10では、まとめとして、「なぜ」、「どのように」と自問して、あなたの思考の世界を豊かにするよう呼びかけ、また自分の考えを掘り下げるために、紙に書きだすことを提唱しています。

 

 

私がとくに感銘を受けたのは、マッキンゼーの中興の祖と言える存在で、経営コンサルティング業の祖とも呼ばれるマービン・バウアー「書く」ことの価値を説いた、次の言葉です。

 

「上手に書くことで考えを研ぎ澄まし、本質を引き出すことができる」

 

 

それは、マッキンゼー&カンパニーという、世界一のコンサルティングファームが、コンサルタントの今後の成長に欠かせない重要なポイントが、次のような姿勢にある、ことを物語っています。

 

それは、「あなた自身の成功の原則を書き留め、質に重点を置く理路整然とした仕組みの中で、それらの原則を忠実に実践する」ことです。

 

 

著者の服部さんがマッキンゼーの中で実践してきたことは、まさにそうしたことで、本書はその集大成と言えるものでしょう。

 

 

本書で提唱する「47原則」の中で、とくに私の心に響いたものを以下に紹介します。

 

◆ きつい仕事は午前中に片付ける

◆ アウトプットをイメージする

◆ 前半戦が勝負の分かれ目、序盤に全力を注ぐ

◆ ストレスのある時ほど笑う

◆ 目標は野心的に、行動は計画的に

 

◆ 自分から話すより、聞き役に徹する

◆ 真っ先に相手とつながる共通の話題を見つける

◆ To-Do リストを4つに分類する

◆ 新たな人生に対する心構えを持つ

◆ リーダーに必要な資質を認識する

 

 

最後に、本書では、5つの章の冒頭に、おそらく著者の服部さんが「座右の銘」として大切にしている「言葉」が紹介されていて、私の「心のメンター」によるメッセージなど、私が大切にする価値観とも共通する言葉ばかりなので、以下に紹介します。

 

◆ 「道を知っていることと、実際にその道を歩くことは、別物だ」(モーフィアス、映画『マトリックス』より)

◆ 「あるがまま、程度の知れた人物として捉えると相手はダメになる一方だ。 しかし、あるべき姿に到達している人物であるかのように扱うと、相手に精一杯磨きをかけることができる」(ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ)

◆ 「生産性とは決して、偶然の産物ではない。常に全力で極上をめざし、綿密な計画を立て、集中して取り組むことから生まれる努力の賜物である。」(ポール・J・マイヤー)

◆ 「切羽詰まる前に、変革を起こせ」(ジャック・ウェルチ)

◆ 「我思う、故に我あり。」(ルネ・デカルト)

 

とくに上記3番目にある、ポール・J・マイヤーは、私の心のメンターで、強い熱意と願望をもとにした目標設定とその達成プログラムに、多くの影響を受けてきましたので、感慨はひとしおでした。

 

 

あなたも本書を読んで、リーダーとして成功する「仕事の基本」である「47原則」を学び、人生に活かしてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を