書評ブログ

『45歳以上の普通のサラリーマンが何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』

「45歳前後で組織の中でどこまで出世できるかが見えてきますので、積極的に仕事に取り組むよりは、現状維持でよいという思考になってしまう人もいます。いわゆる『働かないおじさん』になってしまうのです。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、中央大学文学部卒業後、印刷業界などを中心に転職を繰り返し、46歳から知識ゼロの状態で社会保険労務士の勉強を始め、50歳目前で合格三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在は社会保険労務士法人に勤務して、法人企業の助成金の申請代行賃金制度の作成に携わっている社会保険労務士佐藤敦規さんが書いた、こちらの書籍です。

 

佐藤敦規『45歳以上の普通のサラリーマンが何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)

 

 

この本は、中高年会社員が今後20年以上働き続けることを想定して、国家資格と言われる資格試験に挑戦して、その分野の知識を持った人と認知される「武器」を手に入れる方法を提案している書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.なんとなく不安をかかえる45歳以上の普通のサラリーマン

2.計画編~普通のサラリーマンは何を狙うべきか~

3.スケジュール編~普通のサラリーマンはいつどこで勉強するか~

4.勉強編~錆びた頭をどう蘇らせるか~

5.収入アップ編~取った「武器」をどうお金にかえるか~

6.独立編~どうしても独立しなければならないときに考えること~

 

 

この本の冒頭で著者は、「国家資格というと独立開業をイメージされる方も多いと思われますが、ジョブ型雇用という専門性を持った人を重視していく企業内においても、今後は評価が高まるものと思われます。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「なんとなく不安をかかえる45歳以上の普通のサラリーマン」および計画編~普通のサラリーマンは何を狙うべきか~」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 士業資格を取って独立するするには営業職の経験は有利

◆ 社会保険労務士資格を取って、年収は200万円アップ、労働時間は増加

◆ 資格を取ると、著者やセミナー講師になれる

◆ 資格を取ると長く働ける、副業がやりやすい、Iターンも可能

 

◆ 目指してはいけない5資格:①難関資格、②簡単資格、③英語とIT資格、④専門学部卒業が条件の資格、⑤大型運転免許など人命にかかわる資格

◆ 会社を辞めずに最大1000時間までの勉強時間で合格できる資格を

◆ ①独占業務がある、②転職に有効、③独立開業できる、の3要件を満たす資格を

◆ 社会保険労務士、行政書士、土地家屋調査士、中小企業診断士、宅地建物取引士、米国公認会計士、1級建築施工管理技士の7資格がいい

◆ 合格するのにかかる金額は資格スクール通学で30万円、独学で10万円程度

 

 

この本の中盤では、「スケジュール編~普通のサラリーマンはいつどこで勉強するか~」および勉強編~錆びた頭をどう蘇らせるか~」について著者の経験を交えて解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 資格は短期合格を目指せ

◆ 教材を絞る、通信講座を倍速で聴く

◆ 試験スケジュールから逆算して有給休暇をとる

◆ 試験2週間前にまとまった休みを取って爆発する気持ちで集中勉強

 

◆「記憶」「反射神経」「思い込み」が中年の3大ハンディ

◆ テキストに情報を集約する(過去問のポイントなどを書き込む)

◆ 過去問とテキストのサンドイッチ学習

◆ 思い込みからくる「ひっかけ問題」対策を

 

◆ まずは体系を理解する

◆ 繰り返し勉強法と横断学習を

◆ 試験本番対策も大切

◆ 失敗の分析は徹底的にやる

 

 

本書の後半では、「収入アップ編~取った「武器」をどうお金にかえるか~」および独立編~どうしても独立しなければならないときに考えること~」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 社内異動⇒転職・副業⇒資格に直結した転職(士業事務所)⇒独立

◆ 新たな資格に挑戦するのは得策でない

◆ 新しい法律や法改正などの情報にいち早く対応すれば先駆者になれる

◆ 副業としてWEBライターやセミナーで月5万円稼ぐ

 

◆ 独立するにはライフプランを試算する

◆ 実務経験は、企業の人事・総務部または社労士事務所での勤務

◆ 団体、異業種交流会、先輩士業の手伝い、セミナー開催、マッチングサイトで仕事を獲得する

◆ 料金表と契約書は超重要

◆ 独立開業は地方を狙え

 

 

この本の巻末には、「付録:60歳から70歳までの雇用環境はどうなっている?」が掲載されていて、今後の見通しなどは参考になります。

 

 

本書で提唱している、自ら「武器」を持って長く働くというコンセプトは、新刊拙著『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)および前著『定年ひとり起業』(自由国民社)にて推奨している「好きな仕事で生涯現役」というライフスタイルに通じるものがあり、強く共感しました。

 

 

あなたもこの本を読んで、45歳以上の普通の会社員から「70歳まで稼ぎ続けられる武器」を手に入れ、長く働いてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2809日目】